院長ブログ(医療の真実、医者の舞台裏)

2021.11.27

「手術が必要ですね。大きな病院を紹介しましょう」?

写真は、先日、白内障手術が無事終わった直後の女性。そして隣に立っている若い男性は、この患者さんの息子さんで、私の知人。よく有る光景ですが、この男性に、とても意味のある写真です。

 別にこの男性、タレントでも有名人でもありません。この方は、白内障手術関連企業の方で、毎日、関西一円の大学病院、一般病院、クリニックの手術室に出向いて、自社製品のメンテナンスをするエンジニアです。つまり、関西中の眼科医の手術を、自身の眼で見ている方です。見学に行っているのではなく、自分の仕事場で、否応なく目に入ってくるのですが・・・

 その方が、ご自身のお母様の手術を、私に頼んできた意味は、大変深いと思います。

 ところで、開業医の先生が、自院の患者さんに、自分は行わない手術など高度医療を必要としたとき、”特に患者さんからのリクエストがない限り”、紹介先には、3つのパターンが有ります。

1、その病気の治療に、都道府県内で最も優れた「医師」に紹介する。
2、その病気の治療が出来る、最も近い「病院」に紹介する。
3,その病気や専門分野に関係無く、自分がお付き合いをしておくことで「メリットのある」病院や偉い先生に紹介する。

治療が必要な患者さん自身から見ると、1が当然のように思われます。あるいは、能がないけど昔からの慣例で2、または患者さんの希望で2は、あり得るでしょう。が、1は「医師」、2は「病院」という点で、大きく異なります。つまり「2」では、複数いる医師の、誰に当たるか、考えられていません。大きな病院に紹介しておけば、まぁいいか、と言う理由、あるいは、どんな病気でも重症化して困ったら、直ぐに送還できる病院を確保しておくために、日頃から、何でもその病院に送っておく、と言うパターン。ちょっとイマイチな紹介パターンですが、これは未だ可愛い方です。

しかし、医師も村社会。なかなかそうは行きません。問題なのは3。教授と呼ばれる人にゴマをすっておきたい、あるいは、自分にはコネがある、と言う事を患者さんに見せたいという心理で、得意分野が違っていても大学病院、大手総合病院の部長さんに送るパターン、これが意外と、地域によっては最多なのです。長い待ち時間で、別の専門の有名な先生に手術をしてもらう、名の通った病院(名の通った医師ではない)で治療を受けることに満足を感じる患者さんには向いているかも知れません。

かかり付けの先生に、あなたは○○の病気で手術が必要です。大きな病院を紹介しましょう。と言われたら、ご自身で医療機関や医師をリクエストすること、あるいは、紹介状をもらった後でも、ご自身でよく調べて、「この医師に治療を受けたい」と思う医療機関に、宛名は違っても、その紹介状を持って行くことは、何も失礼なことではないので、ご安心下さい。