白内障のレンズ選びで失敗しないために!よくある後悔と対策を解説

白内障のレンズ選びで失敗しないために!よくある後悔と対策を解説

2025.04.03

白内障のレンズ選びで失敗しないために!よくある後悔と対策を解説

白内障のレンズ選びで失敗しないために!よくある後悔と対策を解説

この記事の監修者

 
白内障のレンズ選びで失敗しないために!よくある後悔と対策を解説
大内雅之アイクリニック 院長 大内雅之

2018年大内雅之アイクリニック開設。
眼内レンズ手術(白内障・ICL)手術専門クリニックとして、
総手術件数は25,000件以上。
疾患や治療の説明を端的に、分かりやすくお伝えする啓蒙・修練の場として、メディアへ出演や、数多くの論文・著書の実績も持ち、指導的立場で臨床にあたる。2022-23・2024-25ベストドクターズ、2期連続で選出され、多くの医師からも支持を受けている。
「担当医の顔が見える医療、術前から術後まで執刀医による一貫した診療」にこだわり、患者様がいかに快適に人生を楽しめるか(QOL)を追求し続けている。
東京医科歯科大学 特命教授、北海道大学 非常勤講師、
日本白内障屈折手術学会理事、日本眼科手術学会理事

白内障手術は視力を回復させるための有効な方法ですが、レンズ選びを誤ると「思っていた見え方と違う」「見たかった距離に眼鏡が必要になった」と後悔するケースもあります。

手術後の結果に満足するためには、レンズの種類や自身のライフスタイルに合った選び方が重要です。

この記事では、白内障手術のレンズ選びで失敗しないためのポイントや実際の体験談を紹介します。

事前に知識を深め、納得のいく決断をしましょう。

 

白内障のレンズ選びで後悔しないためのポイント



白内障の手術では、眼内レンズの選び方が視力の快適さを大きく左右します。
手術後に「思っていた見え方と違った」と後悔しないためには、レンズの種類や特徴を正しく理解し、自分に合ったものを選びましょう ぶことが大切です。
ここでは、レンズのタイプごとの特徴や、ライフスタイルに応じた選び方について解説します。


白内障どのレンズを選ぶべき?タイプ別に解説

眼内レンズには、大きく分けて「単焦点レンズ」と「多焦点レンズ」があります。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、特徴を知った上で選ぶことが重要です。

以下の解説を読む前に、遠く、近くの定義を確認しましょう。

ここで言う遠くとは、景色や運転は勿論ですが、テレビやカウンター越しのお客さんの顔など、手の届かない距離も、すべて遠くに分類されます。ですので、近くとは、手の届く範囲=本、携帯電話、パソコン、楽譜などになります。パソコンモニターより離れた距離のものは、室内であっても遠くに含まれます。

単焦点レンズ

1つの距離にのみ焦点が合うレンズですが、一つの距離に集光させるので、焦点の合う距離の見え方の質は最も良いレンズです。
基本的には「遠く用」か「近く用」のどちらかを選ぶことになります。
遠くに焦点を合わせると、運転や屋外での活動は快適になりますが、新聞やスマホを見るときには老眼鏡が必要です。
近くに焦点を合わせると、手元ははっきり見えますが、遠くを見るときに眼鏡をかける必要があります。
老眼鏡はかけても構わないので、特定の距離をしっかりみたい人や、保険適用のため、費用を抑えたい人に向いています。

多焦点レンズ

遠くも近くも見えるように設計されたレンズです。
眼鏡なしで生活できる可能性が高まりますが、単焦点レンズに比べるとコントラストが低下しやすく、夜間に光のまぶしさやにじみを感じる人もいます。
また、手元でも、あまり細かい文字は、やはり老眼鏡が必要な場合もあります。
費用は高くなりますが、眼鏡の使用を減らしたい人には適した選択肢です。

トーリックレンズ(乱視矯正レンズ)


乱視が強い人向けのレンズです。
単焦点・多焦点のどちらにも乱視矯正機能を持つタイプがあり、乱視による視力のぼやけを軽減できます。
乱視がある場合、通常のレンズを選ぶと、手術後に遠近両方に眼鏡が必要になることがありですが、このトーリックレンズを使うと、そのようなことが無くなります。ただ、2重に見える原因を「乱視」と思いこんでいたけど、実は白内障が原因だった、と言う患者さんも多いので、術前の検査時に、執刀医の説明を聞くと良いでしょう。>

 


ライフスタイルに合わせたレンズの選び方


眼内レンズを選ぶ際は、ライフスタイルを考慮することが重要なので、正しい手術施設では、術前に執刀医が、必ずこれを確認するはずです。
どのような生活をしているかによって、適したレンズは異なります。

運転やスポーツを重視する人

自動車の運転や球技などのスポーツをする機会が多い人は、遠くに集中してピントを合わせることができる単焦点レンズがおすすめです。
単焦点レンズを挿入することで、運転中に標識や信号機を認識しやすくなるため、事故の防止につながります。
テニスやゴルフなど小さなボールを追いかけるスポーツでは、このレンズが最も有利でしょう。ただし、スコアをつけるときには老眼鏡が必要になります。

パソコンや読書など細かい作業をする人

手元を見る作業をする機会が多い人は、近くに集中してピントを合わせる単焦点レンズがおすすめです。
たとえば、仕事でよくパソコンを使う人や、趣味で読書・手芸などに勤しむ人が該当します。
単焦点レンズを挿入することで、眼鏡やコンタクトを使わなくても文字や毛糸の縫い目までハッキリと見えるようになるでしょう。ただし、室内でもテレビを見るときには、眼鏡が必要です。

眼鏡なしで生活したい人

眼鏡なしで生活したい人は、多焦点レンズを選びましょう。
多焦点レンズを挿入することで、近くから遠くまでさまざまな距離でピントを合わせられるようになるので、眼鏡が必要なくなるケースが多いです。

ただし、コントラストが低下することで、夜間の光のにじみなどが気になることがあるため、デメリットも理解しておきましょう。

また、多焦点レンズにも、上記のような、長所、短所のウェートが異なった、多種のレンズがありますので、複数の中から患者さんのニーズに最も合ったものを選べる施設に行かなければいけません。2、3種類のレンズの取りそろえでは、このことは難しいと言えます。

乱視がある人

単焦点であっても多焦点であっても、乱視が強い場合、乱視矯正機能のあるトーリックレンズを選ぶことで、手術後の視力が安定しやすくなります。
特に夜間の見え方や細かい文字の読みやすさに影響するため、医師とよく相談して決めることが重要です。
レンズ選びに正解はなく、それぞれの特性を理解し、自分のライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
後悔しないためにも、手術前に医師としっかり相談し、納得した上で決定しましょう。

 

このようなことは、以前には無かった新しい医療ですので、最新の検査機器が必要です。は術前検査の光学的眼軸長測定装置は、2種類、角膜形状解析装置、前眼部OCTを揃えているのはもちろんのこと、術中にも、白内障を取り除いた後の眼の中の屈折を測定して、眼内レンズの度数や固定角度を決められる施設が良い結果を得るには有利でしょう。

 

白内障のレンズ選びで失敗するとどうなる?



白内障手術では、適切な眼内レンズを選択することが重要です。
手術自体は成功しても、レンズ選びを誤ると視力が低下したり、日常生活に不便を感じたりすることがあります。
「見えにくい」「期待した視力が得られない」といった後悔を避けるためにも、どのようなケースがあるのかを知っておきましょう。


白内障レンズ選び失敗例|よくある3つの後悔

眼内レンズには単焦点レンズと多焦点レンズがあり、それぞれメリットとデメリットがあります。
自分のライフスタイルや目の状態に合わないレンズを選んでしまうと、以下のような後悔につながることがあります。

近くが見えづらくなった

単焦点レンズを選んだ場合、遠くか近くのどちらかに焦点が合うようになります。
遠くが見えやすいタイプを選んだ場合、手元の細かい文字が読みにくくなることがあります。
「新聞やスマホの文字がはっきり見えない」と感じ、老眼鏡が手放せなくなるケースも少なくありません。

よくあるケースとして、元々遠くが見えてたのに、「老眼鏡を使うのが面倒」という事にばかり気を取られて、近くが見えるようにしてほしい、とリクエストしてしまう患者さんがいます。その場合は、これまで眼鏡を掛けなくても良かった遠くに、今度は眼鏡が必要になることを忘れてはいけません。

夜間の運転がしづらくなった

多焦点レンズを選んだ場合、遠くも近くもある程度見えるようになりますが、コントラストが低下するという症例があります。
特に夜間の運転時には、光がにじんで見えたり、対向車のライトがまぶしく感じたりすることがあり、「昼間は問題なくても、夜は運転しづらい」と感じる人が、時にいます。

期待していた見え方と違った

レンズの種類や見え方に対する十分な説明がないまま手術を受けると、手術後に「思っていたのと違う」と後悔することがあります。
例えば、老眼鏡が不要になると思って多焦点レンズを選んだのに、暗いところや、あまりに細かい文字を見るときに眼鏡が必要だったという不満です。このような、医学の限界を超えた過度の期待を持って手術を受けることは禁物です。

「こんなはずではなかった」と感じる前に、事前に医師とよく相談することが重要です。手術は、若返りの魔法ではないので、あくまで、仕上がりと自身の体の性能の限界を謙虚に受けとめて、新しい眼に合わせたライフスタイル(例えば、足りないときには弱い眼鏡でアシストするなど)を受け入れることも大切な姿勢です。

 

白内障手術後に後悔…視力の違和感やレンズ交換は可能?



白内障手術を受けた後、思い通りの見え方にならず後悔するケースは少なくありません。
視力の違和感にはさまざまな原因があり、適切な対処をすれば改善できる場合もあります。
ここでは、手術後に見えづらくなる原因と解決策、レンズ交換の可否について詳しく解説します。


手術後に見えづらい原因と解決策

白内障手術を受けたにもかかわらず、視力に違和感を覚えることがあります。
原因として、以下のようなものが考えられます。

眼の調整機能が低下している

白内障手術では水晶体を人工レンズに置き換えるため、もともと持っていた調整機能が失われます。
特に単焦点レンズを選んだ場合、ピントが合う距離が限定されるため、手元や遠くのどちらかはピントが合わないはずです。その距離には、眼鏡を使うことで視力を補えるでしょう。

眼の状態が安定していない

手術直後は涙の状態が不安定だったり、手術後早期の炎症や角膜のむくみの影響で、視力が安定しないことがあります。
手術後1か月ほど(70台以上の方ではもう少し)かけて徐々に見え方が落ち着くケースも多いため、焦らず様子をみることが大切です。
時間が経っても違和感が続く場合は、医師に相談するとよいでしょう。

乱視が残っている

乱視が強い人は、通常の眼内レンズを入れると視界がぼやけることがあります。
トーリックレンズ(乱視矯正レンズ)を選ばなかった場合、手術後に眼鏡で矯正しなくてはなりません。
強い乱視の方は、乱視矯正に関する講演や論文実績のある医師と相談のもと、トーリックレンズを挿入するのが賢明です。

後発白内障の影響

手術後、数か月から数年経つと、後発白内障と呼ばれる症状が現れることがあります。
後発性白内障は、人工レンズを支える後嚢(こうのう)という部分が濁ることでおこります。これは、白内障手術を受けた人の20~30例に1例くらい起こると言われていますが、外来診察室でレーザー治療を受けることで直ぐに改善できます。ひと昔前にあった、「白内障手術をしても、何年かすると、また見えなくなる」という間違った話が、未だに一般患者さんにはびこっているのも散聞しますが、その多くは、このことをさして言われているものと思われます。レーザー治療を一度受けると、この後発白内障は二度と起こりません。


レンズを交換できるケースとできないケース

白内障手術で挿入したレンズが合わず、交換を検討する人もいます。
しかし、すべてのケースでレンズ交換が可能なわけではありません。

レンズ交換ができるケース

手術後すぐ(数週間以内)である場合
眼内レンズは時間が経つと組織と馴染むため、手術直後であれば比較的交換しやすいです。

強い屈折異常がある場合
予想以上に見たい距離と術後の結果が合わず、眼鏡やコンタクトの使用法が不便になる場合は、交換を検討することがあります。

レンズの位置がずれた場合
まれにレンズが適切な位置に収まらず、視界が歪むことがあります。
その場合は、位置を調整するか、新しいレンズに交換することがあります。

レンズ交換ができないケース

手術から時間が経っている場合
挿入後にレンズが眼内の組織と定着すると、交換は難しくなります。
およそ半年以上経過すると、合併症のリスクが高まるからです。

多少の視力のズレがある場合
多少の見えづらさは、眼鏡やコンタクトレンズで補正できることが多いため、交換を勧められないことがあります。

視力の違和感が脳の適応不足による場合
多焦点レンズを使用した場合、脳が新しい視界に慣れるまで時間がかかることがあります。
交換しても根本的な解決にはならないことがあるため、しばらく様子をみるのが一般的です。

レンズ交換は可能な場合もありますが、再手術には合併症や感染症などのリスクが伴います。
手術後に違和感を覚えた場合は、自己判断せず、眼科医とよく相談してみましょう。

 

 

白内障のレンズ選びに失敗しないために、執刀医と相談すべきポイント



白内障の手術で挿入する眼内レンズは、基本的には一度入れると簡単に交換できません。
そのため、手術後に後悔しないよう、事前に執刀医としっかり相談することが大切です。
ここでは、レンズ選びの際に確認すべき重要なポイントを解説します。


白内障のレンズ選びで事前に確認すべき4つのこと

白内障のレンズ選びでは、手術後の見え方に大きく影響する点を事前に把握しておくことが重要です。
以下の4つのポイントを執刀医と相談しながら、自分に合ったレンズを選びましょう。

レンズの種類と特徴を理解する

眼内レンズには、単焦点レンズ、多焦点レンズ、乱視矯正レンズ(トーリックレンズ)など、さまざまな種類があります。
単焦点レンズは1つの距離にピントを合わせるため、遠くが見えやすくなると近くは眼鏡が必要です。
一方、多焦点レンズは遠くと近くの両方に対応できますが、暗い場所では見えづらくなることもあります。
自分の生活スタイルに合ったレンズを選ぶために、それぞれのメリットとデメリットを医師と確認しましょう。

乱視の有無をチェックする

乱視がある人は、通常の単焦点レンズや多焦点レンズでは視界がぼやけることがあります。トーリックレンズを選ぶことで、手術後の見え方に満足できるでしょう。
ただし、乱視のタイプにはいくつかあり、また、乱視だと思っている症状が乱視が主因では無いこともしばしばあり、トーリックレンズの使用については、通常は執刀医が判断することです。ただ、日頃からトーリックレンズを適切に使っている、さらには、その使用法について講演、論文実績などから事前にチェックしておくことは有益だと言えます。
自分の目の状態に合わせて、適切なレンズを選ぶ必要があります。

保険適用か自由診療かを確認する

白内障手術には、保険適用のレンズと自由診療のレンズがあります。
単焦点レンズは健康保険が適用されるため、費用を抑えて手術を受けることが可能です。
一方、多焦点レンズや乱視矯正レンズは自由診療となるため、費用が高額になることがあります。
費用面も含めて、どのレンズが自分に合っているかを慎重に検討することが大切です。

事前に上記のポイントを確認し、医師としっかり相談することで、白内障のレンズ選びの失敗を防ぐことができます。
自分に合ったレンズを選び、快適な視力を手に入れましょう。

 

まとめ

白内障手術の結果には個人差があるため、どのレンズを選ぶかが重要なポイントになります。

口コミ等を参考にしながら、自分のライフスタイルに合った選択をすることが大切です。

手術前に医師としっかり相談し、納得のいく手術を受けましょう。

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