白内障の症状チェック|かすみ・まぶしさ・視界の変化は要注意!病院に行くべきサインとは
「最近、視界がぼやける」「夜の運転が怖い」といったお悩みは、ありませんか?
それは、もしかすると白内障の症状の疑いがあるかもしれません。
一般的に加齢による目の変化だと見過ごしがちな白内障ですが、進行を防ぐには早期発見が重要なのです。
本記事では、白内障のセルフチェックリストや他の病気との見分け方、病院を受診すべき症状を、くわしく解説します。
目次
白内障とは?症状をチェックする前に知っておきたい基礎知識

白内障の症状チェックをするうえで、まずは病気のしくみや原因、進行の流れを理解しておくことが大切です。
視力に影響する目の病気である白内障は、早期発見できるかどうかがその後を大きく左右します。
ここでは、白内障の基本知識について、仕組み・原因・進行パターンの3つの観点からわかりやすく解説します。
白内障の仕組み|水晶体が濁るとはどういうこと?
白内障は、目の中にある「水晶体」とよばれる透明なレンズが白く濁ってしまう病気です。
水晶体はカメラでいうレンズのような役割を担っており、光を通して網膜にピントを合わせる働きがあります。
健康な水晶体は透明で柔軟性があるため、近くも遠くも自然にピント調整が可能です。
しかし白内障になると、水晶体が徐々に白く濁ってしまい、光が通りにくくなってしまいます。
その結果、視界がかすんだり、ぼやけたり、まぶしく感じるようになります。
濁りの進行度によって症状も変わるため、早期発見が重要です。
白内障はなぜ起こる?|加齢・紫外線・生活習慣が関係
白内障の原因の中で最も多いのは「加齢」です。
年齢を重ねると、体と同じように目の組織も老化していきます。
老化現象によって水晶体のたんぱく質が変性し、濁りが生じることで白内障が進行します。
この他にも、紫外線を長時間浴びる生活や、喫煙・糖尿病・栄養バランスが偏った食事などの生活習慣も白内障の発症リスクを高める要因です。
また、目のケガや薬剤(特にステロイド)の長期使用が原因となることもあります。
近年では、スマートフォンやパソコンによる目の疲労やブルーライトも、白内障のリスクを高める要因として注目されています。
こうした複数の要素が重なることで発症リスクが高まるため、日頃のケアが重要なのです。
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白内障の本当の原因とは?スマホ・紫外線・ストレスも要注意!若年性のリスクにも迫る白内障の進行パターン|初期→中期→末期の症状変化
白内障はゆっくり進行する病気で、初期・中期・末期と段階によって症状が変わっていきます。
初期は「視界が少しかすむ」「明るい場所でまぶしく感じる」といった軽い違和感が特徴です。
中期になると、視力がより低下し日常生活に支障をきたすようになります。
具体的には、テレビの字幕や標識が読みづらくなったり、夜間の運転時にライトがまぶしく感じるようになるのが特徴です。
末期では水晶体の濁りがさらに強くなり、視界が白っぽくぼやけてしまいます。
この段階になると、眼鏡やコンタクトでは矯正が難しくなるため、手術が必要と判断されるケースが多くなります。
症状が軽いうちに変化に気づけるかどうかが、生活の質を保つ大きな分かれ道です。
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白内障のステージ (グレード)とは?各段階の症状と治療法を徹底解説白内障セルフチェックリスト|あなたや家族は当てはまる?

見え方に違和感があっても、白内障かどうかを判断するのは簡単ではありません。
そこで役立つのがセルフチェックです。
日常生活の中で感じる小さな異変を見逃さず、早い段階で気づくことが白内障の進行を防ぐ第一歩です。
視力の変化を感じたら?|日常生活での違和感チェック
白内障はゆっくり進行するため、本人が気づかないうちに視力が落ちていることがあります。
最近、新聞の文字が読みづらいと感じたり、以前より明るい場所で作業をしないと見えにくいと感じたりすることはありませんか?
また、夜間の運転時にライトがまぶしく見えたり、階段の段差が不明瞭になるといった状態も、白内障が関係していることがあります。
これらは老眼や疲れ目と勘違いされがちですが、加齢性の視力変化とは異なる点を意識することで早めの発見につながります。
白内障かどうかを見分ける10の質問【セルフ診断表付き】
以下の10項目のうち、3つ以上に当てはまる場合は白内障の可能性があります。
当てはまった数に応じて、眼科受診の検討をおすすめします。
- ● 視界が白くかすんで見える
- ● 明るい場所でまぶしく感じることが増えた
- ● 光がにじんで見える
- ● 視力が徐々に低下してきた
- ● メガネを変えても見えにくさが改善されない
- ● 夜間の運転が怖く感じる
- ● 色の見え方が以前と違って感じる
- ● 曇ったガラス越しに見ているように感じる
- ● 左右の目で見え方が違う
- ● 階段の段差が見えづらくなった
3項目以上該当する場合は、進行している可能性もあるため、早めに病院を受診することが安心です。
また、チェックリストをもとに家族同士で声をかけ合うことも予防につながります。
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白内障の症状チェック|初期サインと進行の見極め方白内障と間違いやすい目の病気|老眼・緑内障との違いは?

視界に異常を感じたとき、白内障かもしれないと思っても、他の目の病気との区別がつきにくいことがあります。
特に老眼や緑内障、ドライアイなどの症状は重なる部分も多く、自己判断では見分けが難しいケースも少なくありません。
ここでは、白内障と間違われやすい代表的な目の病気との違いを具体的に解説します。
老眼との違い|ピントが合わないのはどちら?
老眼と白内障はどちらも中高年に多くみられる目の変化ですが、原因も症状の現れ方も異なります。
老眼は水晶体のピント調整機能が低下することで、近くのものが見えづらくなる状態です。
一方、白内障は水晶体そのものが濁るため、近くも遠くも視界全体がかすんで見えることが特徴です。
老眼は、明るい場所であればある程度見えますが、白内障では光がまぶしく感じられることもあります。
「近くは見えにくいが遠くははっきり見える」なら老眼、「全体的にぼやけている」なら白内障の可能性が高いと考えられるでしょう。
緑内障との違い|視野が欠ける症状に注意
緑内障は、白内障と名前は似ていますが全く異なる疾患で、こちらは視神経が傷つくことで視野が徐々に欠けていく病気です。
白内障と異なり、視界の中心は比較的見えていても、周辺が暗くなったり欠けたりすることが特徴です。
また、緑内障も白内障同様、初期段階では自覚症状が少なく、進行してから気づくことも多いため注意が必要です。
白内障は視力の低下が比較的早く現れるため、視野の欠けではなく全体的な見えづらさを感じる場合は白内障を疑いましょう。
ドライアイ・眼精疲労との見分け方も知っておこう
目が乾く、かすむ、疲れるといった症状は、ドライアイや眼精疲労でもよく見られます。
ドライアイの場合は、まばたきや目薬で一時的に改善されることが多いですが、白内障による見えづらさは、これでは治まりません。
眼精疲労も、長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用で起こる一時的な症状です。
白内障の場合は、時間帯や作業量に関係なく継続的に視界がかすんだり、明るい場所でもまぶしさを感じる点が違いとして挙げられます。
「疲れているせいかな」と見過ごさず、症状が長引くようであれば眼科で検査を受けることがおすすめです。
こんな症状が出たら眼科へ|病院に行くべきタイミングとは

白内障は進行が緩やかなため、「もう少し様子を見よう」と判断してしまいがちです。
しかし、ある程度の症状が現れた段階で眼科を受診することが、視力を守るために重要です。
実際に以下のような症状が見られた場合は、迷わず専門医の診察を受けましょう。
セルフチェックで異常があれば早めの受診を
白内障の症状が疑われる項目に複数当てはまる場合、自己判断せずに眼科で検査を受けましょう。
視界のかすみやぼやけ、まぶしさが続く場合は、白内障以外の病気が関係していることもあります。
特に、「急激に見え方が変わった」「左右で視力差がある」「日常生活に支障が出てきた」といった変化がある場合は、早期の受診が鍵になります。
放置すればするほど手術のタイミングを逃し、視力回復に影響するおそれもあるので、早めに行動しましょう。
手術が必要になるケースと進行のサイン
白内障が進行すると、眼鏡やコンタクトで矯正しても視力が回復しないことがあります。
こうした状態が続くと、医師から手術をすすめられるケースが多いです。
手術を行う目安としては、「日常生活で見えづらいことが多い」「仕事や運転に支障をきたしている」「視力が0.7を下回る」といった状況が挙げられます。
白内障手術は比較的安全かつ短時間で終わるケースも多いため、医師と相談しながら見極めましょう。
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「初めて眼科を受診するけれど、どんな検査をするのか不安」そんな風に思う方も多いかもしれません。
白内障の診察では、まず視力検査や眼圧検査を行い、その後、細隙灯(さいげきとう)顕微鏡を使って目の中の状態をくわしく観察します。これらの検査で水晶体の濁りの程度や進行状況を正確に把握できるため、自己判断よりも正確な診断を受けられます。この時、正確に且つ広範囲に水晶体の濁りを観察するために、散瞳といって目薬で瞳を開いて診察をします。この検査をすると、数時間眩しくなり、車やバイクの運転が出来なくなります。受診には、必ず公共交通機関で行くか、車の場合はご家族などに送ってもらいましょう。
もし手術が必要と診断された場合でも、日帰りの手術や短期入院で実施できる病院が増えているため、過度に心配する必要はありません。
気になることや不安な点があれば、遠慮せずに医師へ相談してみてください。わからないことをそのままにしないことが、安心して治療へ進む第一歩になります。
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白内障は誰にでも起こりうる身近な目の病気ですが、気づかぬうちに進行し、視力を大きく低下させる可能性があります。
特に、40代後半からは加齢による変化が現れやすくなるため、小さな違和感を見逃さず、気づいたときに行動することが大切です。
もし視界の変化に不安を感じたら、迷わず眼科を受診してみてください。