レーシックやICLなどの視力矯正手術に興味があるけれど、「どちらを選べばいいのか分からない」「失敗したくない」と不安に感じていませんか?
この記事では、レーシックとICLの違いを比較し、メリット・デメリットや向いている人の特徴、後悔しないためのチェックポイントを解説します。
もし手術を検討している方は本記事で不安を解消し、納得できる選択をしましょう。
目次
レーシックとICLの違いとは?

視力矯正手術を検討する際、多くの人が最初に悩むのが「レーシックとICL、どちらが自分に合っているのか?」という点です。
どちらも裸眼での生活を可能にする画期的な手術ですが、手術の仕組みや安全性、費用、適応条件などに明確な違いがあります。
この章では、2つの特徴をわかりやすく比較します。
レーシックとICLの比較表(仕組み・費用・安全性など)
レーシックとICLは、いずれも視力回復を目的とした医療技術ですが、根本的なアプローチが異なります。
下表は、それぞれの違いを「仕組み」「角膜への影響」「費用」「手術時間」「安全性」「適応条件」などの観点から整理したものです。
比較項目 | レーシック | ICL(眼内コンタクトレンズ) |
---|---|---|
仕組み | 角膜をレーザーで削って屈折矯正 | 目の中に人工レンズを挿入して視力を矯正 |
可塑性 | 角膜を削るため元に戻せない | 必要があれば、レンズの入れ替え・取り出しが可能 |
手術時間 | 約10分程度(両眼) | 約20〜30分程度(両眼) |
費用相場 | 約20〜40万円(両眼) | 約50〜70万円(両眼) |
保険適用 | 自由診療(適用外) | 自由診療(適用外) |
矯正効果の安定性 | 長期の間に、緩やかに効果が減弱する。 | 矯正効果は変わらない。(生体側の変化による近視化はあり得る) |
強度近視対応 | 対応不可(角膜が薄いとNG) | 強度近視(-6D以上)にも対応可能 |
老眼 | 老視年齢になれば、老眼鏡は必要 | 老視年齢になれば、老眼鏡は必要 |
向いている人 | 軽〜中度近視の人/角膜が十分に厚い人 | 軽度近視~強度近視に対応 |
将来の白内障手術 | 精度が落ちる | 影響しない |
レーシックかICLかは、費用や安全性だけでなく、将来のメンテナンスや老眼対策まで含めて選ぶことが大切です。
レーシックは角膜を削る視力矯正法
レーシックとは、「角膜屈折矯正手術(Laser-AssistedInSituKeratomileusis)」の略称で、エキシマレーザーという特殊なレーザーを使って角膜の形状を削り、光の屈折を調整することで視力を改善する方法です。
主に近視や乱視の人が対象で、1990年代から世界中で数千万人以上が受けてきた実績のある手術です。
手術そのものは20分ほどで終了し、痛みも少ないです。
ただし、角膜の厚さや目の状態によっては適応外となるケースもあります。
さらに、この手術は角膜を削るという性質上、一度受けたら元に戻すことはできません。 そのため、術後は眼の検査データを大きく乱すので、将来受ける白内障手術の精度が落ちることは避けられません
視力は大きく改善しますが、その効果は一生続くわけではありません。矯正効果減弱の影響で、再び視力が落ちることもあります。
ICLは眼内にレンズを入れる視力矯正手術
ICL(ImplantableCollamerLens)は、眼内コンタクトレンズともよばれる視力矯正手術です。
角膜を削ることなく、目の中に特殊なレンズを挿入して視力を矯正します。
レンズは虹彩(茶目)と水晶体の間に固定されるので、外から見ても装着していることはわかりません。
手術はおよそ20〜30分で終了し、早ければ翌日には視力が安定します。
ICLの大きな特徴は、「将来的にレンズを取り出せる」という点です。術後も眼の検査データを乱しませんので、他の治療の精度を落としません。
たとえば老眼が進んだ場合でも、ICLを取り出して白内障手術に切り替えることができます。LASIKでも白内障手術による老眼矯正は可能ですが、精度が落ちることと、コントラストが低下しやすいことが問題です。
また、角膜を削らないため、角膜が薄い人や強度近視の人でも受けやすいというメリットがあります。
費用はレーシックより高額ですが、視力の安定性・安全性の高さから眼科医自身が選ぶケースも多い注目の視力矯正法です。
レーシックとICLの費用と保険適用の違い

視力矯正手術を検討する際、大きな分かれ目になるのが「費用面」です。
レーシック・ICLともに自由診療のため健康保険は適用されず、手術費用は全額自己負担です。
家電や車は、違うお店で買っても商品の中身は同じですが、手術は、施設、執刀医によって大きく異なりますので、全く違う考え方が必要です。単に「安いか高いか」だけでなく、術者のランク、術後のメンテナンスや将来の再手術も見据えて、総合的に比較しましょう。また、費用を考える場合は、消費税の別、込みも確認しましょう。
レーシックの費用相場と自由診療の注意点
レーシックは、比較的リーズナブルな視力矯正手術として知られています。
費用相場は両目で20万円〜40万円前後が一般的です。
中には10万円台の格安プランを提示するクリニックもありますが、手術機器の世代が古かったり、術後の定期検診や再矯正が別料金となるケースがあるため注意しましょう。
初期費用が安く見えても、追加費用を含めると結果的に割高になることもあるため、事前にトータルの費用を確認することが重要です。
ICL手術の費用は?保険は効くの?
ICLの手術費用は、レーシックに比べて高額で、両眼で50万円〜80万円前後が相場です。乱視用レンズを選ぶとさらに費用が上がることもあります。
この価格差の大きな理由は、ICLのレンズ自体が高額であること、手術は全て限られた認定医しか出来ないこと、そして手術前後の検査が多いことにあります。
また、ICLもレーシック同様に自由診療扱いのため、健康保険は適用されません。
ただし「医療費控除」の対象にはなるため、年末調整や確定申告で一定額の還付を受けられる可能性があります。
さらに、手術の内容や条件によっては医療ローンを組めるクリニックもあります。
不安を残さないためにも、費用や控除のことはカウンセリング時にしっかり聞いておきましょう。
メンテナンス・再手術の費用も要チェック
レーシックは角膜を削る手術のため、再手術が難しいケースがあります。
特に角膜が薄くなっている場合には追加矯正ができず、代わりにICLや年齢、水晶体の状態によって白内障手術などの別の方法を選ばざるを得ないこともあります。
一方で、ICLはレンズの取り出し・入れ替えが可能です。
稀ではありますが視力の変化や白内障が生じた場合にも柔軟に対応でき、長期的な視力管理を考えるうえでも安心です。
概ね術後半年以内の度数、サイズ交換は初回手術費用に含まれることが多いですが、1年以上経過してからの度数変化は、手術に起因するものでは無く殆どが生体変化によるものですので、改めて手術費用が計上される場合が多いでしょう。
費用は高額ですが、メンテナンス性や安全性を重視したい人には、ICLが適しているといえるでしょう。
レーシックとICLのリスク・後悔・失敗談

視力矯正手術は、目が見えにくい不便さを解消できる有力な手段です。
しかし、インターネット上では時に「やらなきゃよかった」「失敗した」といった声も見られます。
この章では、レーシックとICLそれぞれのリスクや後悔しやすいケースを整理し、手術を検討する際に知っておきたいポイントを解説します。
レーシックのリスクと「やらなきゃよかった」の理由
レーシックは角膜形が変わる手術のため、光の一部が角膜上で散乱してロスするため、幾つかの欠点があります。また削ってしまった角膜の形は元に戻せない不可逆性を持ちます。
多くの人が満足していますが、一部では以下のような声もあります。
特にSNSや知恵袋では「レーシック難民」という言葉が出るほど、満足できない結果に悩む人がいるのも事実です。LASIK難民とは、LASIK後に様々な不調が起きても、チェーン展開するクリニックなど、その時には既にクリニックが無くなっている、またはクリニックはあっても執刀医が既にいないなどで、相談に行けるところに困っているLASIK術後患者のことです。
しかしこれも、信頼できる医師のもとで適切な検査と手術を受ければ、リスクを最小限に抑えることができます。
価格だけでなく、口コミやアフターケアの体制などを見て総合的に判断しましょう。
ICLで後悔するケースとは?失敗例や体験談に学ぶ
ICLは角膜を削らないため安全性が高いとされていますが、それでも失敗談はゼロではありません。
代表的な例としては、以下のようなケースがあります。
ICLでは目の構造に合ったレンズサイズを選ぶ必要があり、事前検査の精度が非常に重要です。
適応条件を満たさないのに無理に手術を受けると、こうしたトラブルにつながります。
この点では、近年増えてきた前眼部OCTという器械がある施設では、サイズ交換は極めて稀になりました。そのため、可能であれば複数のクリニックでセカンドオピニオンを受けるのがおすすめです。
眼科医がレーシックを選ばない理由とは?
一部の調査では、視力矯正手術を受ける眼科医の多くが「レーシックではなくICLを選ぶ」という結果が出ています。
その理由は明確で、先ず、角膜の形を変えないので単純に見え方の質が良いことです。そして、将来白内障手術を受ける場合も、その精度に影響しない、そして、よく知られている角膜を削らずに済み取り外し可能であるため、将来の変化に柔軟に対応できる点でしょう。
また、ICLはレーシックに比べてドライアイのリスクが低いため、パソコン作業が多い医師や研究者に向いているともいわれています。
手術を検討する際には、専門家の判断を参考にするのも一つの手です。
レーシックとICLに向いている人・向いていない人の特徴

視力矯正手術を選ぶ際に大切なのは、「人気」や「値段」だけではなく、自分の目の状態・年齢・ライフプランに合っているかどうかです。
この章では、レーシックとICLそれぞれに向いている人・向かない人の特徴を紹介します。
ICLが向いている人・できない人とは?
ICLは角膜を削らずに視力を矯正できるのが特徴です。
特に強度近視や角膜の状態に制限がある人でも受けられるケースが多いですが、一方で適応できない条件も存在します。
向いている人
適応できない人
レーシックが向いている人・できない人とは?
レーシックは、これまで国内で最も普及していた視力矯正手術で、比較的安価かつ回復が早いのが魅力です。ただし角膜の厚みや将来の目の変化によっては不向きな場合もあります。
ここで整理しましょう。
向いている人
適応できない人
レーシック・ICLで後悔しないためのポイント

視力矯正手術は、人生を大きく変える選択の一つです。
その一方で、「やらなきゃよかった」「想像と違った」と後悔する人も少数存在します。
後悔しないために、手術前に理解すべき3つのポイントについて解説します。
医師選びと適応検査の重要性
どの手術を選ぶか以上に大切なのが、信頼できる医師と出会うことです。
技術の高い執刀医はもちろん、患者の不安や希望に丁寧に耳を傾けてくれるかどうかも注意しましょう。その為にも、口コミやHPの記載もよいですが、客観的評価を最も重視しましょう。客観的とはICL認定医の中でもインストラクター、更にその上のエキスパートインストラクターの資格を持つ医師、講演依頼、原稿依頼を多数受けている医師、などが間違いの無い判断基準になります。
また、角膜の厚さや水晶体の状態などを正確に測る適応検査は、手術を実施するうえで欠かせません。
検査を省略したり、強引に手術を勧めてくるクリニックは避けましょう。特に、ワンデーICLと謳って、初診の日に手術をすることも可能ですという施設は、技術が優れているのでは無く、必要な複数回検査を省略しているだけですので、そのような施設ではICL手術を受けてはいけません。
安さだけで選ばない!長期視点での比較が大事
視力矯正手術は、クリニックによっては数十万円の価格差があります。
安さに惹かれるのは当然ですが、初期費用が安くても術後のトラブルや視力の再低下に伴う再手術で、かえって高くつくこともあります。
また、老眼や白内障など将来的な目の変化に対応できるかも、手術を検討するうえで重要な要素です。
今ではなく10年後・20年後を見据えて投資する気持ちで選びましょう。
SNS・知恵袋の体験談は“話半分”で判断を
インターネット上には、レーシックやICLに関する体験談や口コミが数多く存在します。
中には「失敗した」「後悔した」といった強い言葉が目につくこともありますが、それだけで判断するのは危険です。
なぜなら、手術に対する満足度や経過は、目の状態・年齢・ライフスタイルによって大きく異なるからです。
体験談はあくまで参考程度にとどめ、自分に当てはまるかは医師に直接確認するのが確実です。
まとめ|将来を見据えて、自分に合った視力矯正法を選ぼう
レーシックとICLは、どちらも視力矯正において高い効果を持つ手術ですが、それぞれに向き・不向きがあります。
レーシックは「短時間・低コスト」が魅力ですが、再手術や将来の対応には制限があります。
ICLは「高額・時間がかかる」一方で、角膜を傷つけず、将来の変化にも柔軟に対応できる点が強みです。
どちらを選ぶにしても、費用や周囲の声だけで判断せず、目の状態やライフスタイル、将来の視力変化を考えて選択することが大切です。
後悔のない視力矯正のために、まずは信頼できる眼科で検査を受け、納得できる説明を受けることから始めましょう。