ICL手術の仕組みとは?レーシックとの違い・メリット・リスクを専門医がやさしく解説

ICL手術の仕組みとは?レーシックとの違い・メリット・リスクを専門医がやさしく解説

2026.02.17

ICL手術の仕組みとは?レーシックとの違い・メリット・リスクを専門医がやさしく解説

ICL手術の仕組みとは?レーシックとの違い・メリット・リスクを専門医がやさしく解説

この記事の監修者

 
ICL手術の仕組みとは?レーシックとの違い・メリット・リスクを専門医がやさしく解説
大内雅之アイクリニック 院長 大内雅之

2018年大内雅之アイクリニック開設。
眼内レンズ手術(白内障・ICL)手術専門クリニックとして、
総手術件数は25,000件以上。
疾患や治療の説明を端的に、分かりやすくお伝えする啓蒙・修練の場として、メディアへ出演や、数多くの論文・著書の実績も持ち、指導的立場で臨床にあたる。2022-23・2024-25ベストドクターズ、2期連続で選出され、多くの医師からも支持を受けている。
「担当医の顔が見える医療、術前から術後まで執刀医による一貫した診療」にこだわり、患者様がいかに快適に人生を楽しめるか(QOL)を追求し続けている。
東京医科歯科大学 特命教授、北海道大学 非常勤講師、
日本白内障屈折手術学会理事、日本眼科手術学会理事

裸眼でくっきり見えたら、仕事も趣味ももっと楽になると感じている人は多いです。

ただ、レーシックのように角膜を削る手術には、なんとなく不安を覚える人もいるでしょう。

そこで、近年見え方に悩む人に注目されているのが、目のなかに専用のレンズを挿入する「ICL(眼内コンタクトレンズ)」という視力矯正法。

目の中にレンズを入れると聞くと、仕組みが分からず怖く感じるかもしれません。

この記事では、ICLの仕組みを解説します。レーシックとの違いやメリット・デメリット、将来の老眼や白内障との関係までくわしく紹介します。



ICL(眼内コンタクトレンズ)とは?

ICLの仕組みを理解するためには、まずどのような手術なのか全体像を押さえることが大切です。

ここではICLの概要と、他の視力矯正法との違いについて解説します。

ICLはどんな視力矯正手術?基本の仕組みと特徴

ICLは、目の中に専用の小さなレンズを入れて近視や乱視を矯正する手術です。

レンズは患者さんの度数や目の大きさに合わせてオーダーメイドされるため、強度近視や乱視の人でも適応することが特徴です。


一度挿入したレンズは、基本的に目の中に長期間入れたまま使用します。

しかし、もしも白内障や老眼といった目の病気になったときなど、必要に応じて取り出したり交換したりできる「可逆性」が特徴です。

レーシックとの違い

レーシックは、角膜の表面をレーザーで削り、形を変えて屈折力を変えることで視力を矯正する方法です。

一度削った角膜は元の厚さには戻らないため、基本的には一度手術を受けると二度と元の目の状態には戻せません。

一方ICL手術は、角膜のかたちは変えずに目の中にレンズを追加してピントを合わせる仕組みです。

術後も角膜の構造をほとんど同じ状態を保てるので、視力が変化した場合にはレンズの入れ替えで対応できる可能性もあります。


また、レーシックに比べてドライアイの症状が出にくいとされる点も、ICLの特徴の一つ。

どちらが優れているというより、目の状態や生活スタイルによって向き不向きが分かれる、といえますが、現在、国内で行われている近視手術の70%は、このICLと言うのが現実です。

ICLとレーシック、それぞれの仕組みを知ったうえで医師とよく相談することが重要です。

通常のコンタクトレンズとの違い

一般的なコンタクトレンズは、角膜の表面に直接のせて使用します。

基本的には毎日つけ外しを行いますが、長時間の使用によってケアを怠ると、角膜の酸素不足や感染症のリスクが高まることが知られています。


しかし、ICLはレンズを目の中に固定するため、日々のつけ外しや洗浄といった負担はありません。眼の中は乾かないし汚れないからです。

レンズは特殊な素材でできており、目の中で長期間使用できるよう設計されているからです。

通常のコンタクトレンズのように自分で簡単に取り外せませんが、入れ替えや摘出が必要になることはほとんどありません。

日々、コンタクトレンズの付け外しが手間に感じている人は、ぜひICLを検討してみてください。


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ICLの仕組みとは?

ICLをより深く理解するには、目の構造とレンズの位置関係をイメージすることが大切です。

レンズがどの部分に収まるかを知ると、手術後の見え方やリスクについても理解しやすくなります。

ここからは目の内部構造を整理しながら、ICLがどのように機能するかを解説します。

目の構造とICLレンズの位置関係

人の目は、カメラのレンズに当たる角膜と水晶体、明るさを調節する「絞り」に当たる虹彩などが一体となって、網膜にピントを合わせています。

角膜は黒目の表面にある透明な膜で、ここが、実は外から入る光を最初に大きく曲げる役割を担います。

その奥に虹彩があり、中心にある瞳孔の大きさを変化させて、目に入る光の量を調節しています。


さらにその内側に水晶体が位置し、厚みを変えることで遠くや近くにピントを合わせています。

ICLレンズは、虹彩と水晶体のあいだの「後房」と呼ばれる空間に挿入する設計です。

角膜の表面や水晶体に直接触れない位置に固定されるため、本来の角膜のかたちや水晶体の働きは保たれやすい構造です。

レンズの外周はごく薄く作られており、房水の流れを妨げないよう配慮された形状になっています。

近視・乱視がどのように矯正されるのか

近視は、角膜や水晶体の屈折力が強すぎたり、眼球が長かったりして、ピントが網膜より手前で結んでしまう現象です。

乱視は、角膜や水晶体のカーブに方向ごとの差があり、光が一点に集まらず、線が二重に見えたりにじんだりする現象を指します。

ICLレンズは近視用や乱視用の度数で設計されているので、目の中に挿入することで光の曲がり方を補正することが可能になります。


近視用レンズでは、過剰な屈折力を打ち消したり調整したりすることで、網膜上に焦点が合うよう導きます。

乱視用レンズでは、方向によって異なる屈折力を持たせることで、ゆがんだ焦点を一点に集める役割を果たします。

角膜のかたちは変えずに、新たにレンズを追加して全体の屈折力を調整する仕組みだと理解すると、イメージしやすいのではないでしょうか。

ホールICL・老眼用ICLなどレンズの種類と構造

現在、ICLレンズと言えば、中央に小さな穴が開いた「ホールICL」で、穴の空いていないものはほぼ使われません。

中央の穴は、房水と呼ばれる目の中の液体が自然に循環するための通路として機能しています。

房水の流れが保たれることで、眼圧が極端に上がるリスクを抑えやすくなるとされます。

レンズ本体は生体適合性の高い素材で作られており、長期間にわたって透明性と柔軟性を維持しやすい構造です。


加えて、近年は老眼にも配慮した多焦点タイプのレンズ(多焦点IPCLなど)も開発されています。

多焦点タイプは、遠方用と近方用など複数の焦点を持つ構造になっており、生活スタイルに応じた見え方を目指す設計です。

ただし、多焦点レンズは見え方の特徴が単焦点レンズと異なるため、メリットだけでなくデメリットも考慮しましょう。

ICL手術の流れと検査の内容

ICL手術を検討するとき、多くの人が気になるのが検査の内容や手術当日の流れです。

この章では、適応検査から手術後の通院まで、一連の流れを紹介します。

適応検査でチェックするポイント

ICL手術の前には、安全に手術ができるかを確認するための検査をします。

視力や度数だけでなく、角膜の厚みや形状、眼球の長さ、前房の深さなどをくわしく測定します。

同時に白内障や緑内障、網膜疾患など、目の病気の有無もチェックします。安全性に問題がないか慎重に判断します。


ただし、検査の段階で、ICLよりレーシックやコンタクトレンズのほうが適していると判断される場合もあります。

検査結果について丁寧に説明を受け、手術を受けるかどうか冷静に判断しましょう。

レンズのオーダーから手術当日までのスケジュール

ICLレンズは、多くの場合、検査結果に基づいて一人一人の度数やサイズを指定してオーダーします。

検査をしてから手術を行う日までは、レンズの取り寄せ期間が必要ですが、殆どの場合は、交通事情に問題が無ければ,1~2週間で届きます。ただし、サイズや度数、特に乱視の強い場合、乱視の軸がレアな場合、稀ではありますが数ヶ月かかかることもあります。


レンズが届くタイミングで手術日が確定し、必要に応じて追加検査や説明が行われます。

手術前には点眼薬や内服薬の指示、当日の持ち物や注意点なども案内します。

仕事や学校のスケジュールと調整しながら、無理のない日程で手術日を決めましょう。

手術当日の流れ

手術当日は受付後に簡単な診察と最終確認を行い、問題がなければ手術室へ案内されます。

片眼あたりの手術時間は5分〜10分、消毒や準備を入れると10~15分ほどで完了します。

両眼同日に行うケースもあり、殆どの施設で日帰りで行われています。

術後〜視力が安定するまでの経過と通院スケジュール

手術直後は、光がにじんで見えたり、かすみを感じたりすることがあります。

当日は院内で一定時間休む必要がありますが、医師の診察を受けて異常がなければそのまま帰宅できます。

術後は、感染予防や炎症を抑えるための点眼薬を決められた回数で使用しましょう。

数日後や一週間後、一か月後など、時期に応じた定期検診が設定され、レンズの位置や眼圧、視力の経過をチェックします。


この期間に強い痛みなどの異常を感じた場合は、早めに受診してください。

個人差はありますが、数週間から数か月程度で視力が安定するでしょう。

通院スケジュールや仕事復帰の目安は医師によって異なるため、事前に確認してみてください。


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ICLのメリット・デメリット

この章ではICL手術の仕組みに基づいてメリットとデメリットについて解説します。

ICL手術の主なメリット

ICL手術の大きな利点の一つは、他の治療と比べて見え方の質が高い点です。

角膜を削らずに眼内レンズで屈折を調整するため、収差と呼ばれる微妙な光のロスが出にくいです。

暗い場所や夜間でもコントラストの高い見え方を保ちやすいと感じる人が多くいます。

また、角膜の神経を大きく傷つけないため、レーシックと比べてドライアイの症状が少ないという報告もあります。

さらに、レンズは必要に応じて摘出や交換が可能であるため、「可逆性」がある点も特徴です。

ICL手術のデメリット

ICL手術は自由診療となるため、費用が高額になりやすい点がデメリット。

両眼で数十万円から百万円近くかかるケースもあり、家計への負担は避けられません。


また、目の中にレンズを入れる以上、手術後も定期的に検診を受ける必要があります。

眼圧やレンズの位置、白内障の有無などを継続的にチェックし、異常があれば早期に見つけなければなりません。

その他にも、ICL術は高度な検査機器とエキスパートインストラクターなどの経験豊富な医師が好ましいため、どの病院で受けるかの見極めも重要です。

このようなデメリットを理解したうえで、費用対効果やライフプランとのバランスを考えることが大切になります。

ICL手術が向いている人・向いていない人

ICL手術は「誰にでもおすすめできる魔法の手術」ではありません。

目の状態や年齢、ライフプランによって向き不向きが変わります。

代表的な3つのケースを参考に、自分に近いパターンをイメージしてみてください。

ケース①レーシックに不安がある20〜40代の強度近視の人

若い頃から強い近視に悩まされ、メガネやコンタクトが手放せない人は多いです。

しかし角膜を削るレーシックと聞くと、元に戻せないことが心配になるでしょう。

ICLは角膜のかたちを変えず、眼内レンズを追加する方法なので、可逆性の高さが安心材料になりやすいです。

強度近視でも対応できる度数の幅が広く、仕事や趣味でクリアな見え方を求める人と相性が良い場合があります。

ケース②ICL手術を前向きに検討しているが、最後の一歩が踏み出せない人

すでにICL手術についてある程度調べ、説明会やカウンセリングにも参加した人もいるでしょう。

頭では理解していても「目の中にレンズを入れる」と考えると、どうしても怖さが残りがちです。


その不安の多くは、レンズの位置や仕組み、合併症の起こり方がイメージできないことから生まれるものかと思います。

仕組みを理解することで、漠然とした恐怖がやわらぎます。

最終的に手術を受けるかどうかは、納得できるまで説明を聞いたうえで決めると良いでしょう。

ケース③老眼・白内障も見据えて視力矯正を考えたい40〜50代

30代後半から40代になると、近くの文字が見えにくくなり始める人も増えます。

同時に、将来の白内障や生活を意識して視力矯正を考える場面が増えるでしょう。

ICLは水晶体を残したまま矯正するため、将来白内障になった際も、将来の白内障手術と組み合わせて対応が可能です。

また、多焦点レンズや老眼用ICLなど、年齢に応じた選択ができるのも魅力といえるでしょう。

ICL手術より他の治療(レーシック・眼鏡・コンタクト)が向くケース

すべての人にICL手術が最適というわけではありません。

角膜や前房の形態、既往歴などによっては、レーシックやPRKなど別の屈折矯正法をおすすめする場合もあります。

他にも仕事や趣味で目に強い衝撃が加わる可能性が高い人は、手術を受けるよりも眼鏡やコンタクトのほうが安全と判断されることもあります。

医師から複数の選択肢を提示してもらい、自分の価値観や生活スタイルに合う方法を選びましょう。

ICL手術の費用と長期的なコストを比較。メガネ・コンタクトとの違い

ICLを検討するとき、多くの人が最初に気にするのが費用ではないでしょうか。

ここでは費用の内訳と、他の選択肢とのコスト比較について解説します。

ICL手術の費用相場と内訳

ICL手術は自由診療のため、費用は医療機関によって差があります。

一般的には適応検査料、レンズ代、手術費用、術後検診代などがセットになった料金体系が多いです。

両眼で数十万円から百万円前後になるケースもあり、短期的には大きな出費となるでしょう。


ただし、料金の安さだけで選んではいけません。説明の丁寧さや設備、医師の経験も含めて総合的に判断しましょう。特に、執刀医が常勤であることは最も重要ポイントで、これだけは外せません。

料金に含まれる検診回数や保証内容は施設によって異なるため、事前に確認してみてください。

レーシック・メガネ・コンタクトとの長期コスト比較

レーシックはICLより初期費用が抑えられることが多いです。

メガネやコンタクトは1回の支出は少なくても、レンズ交換やケア用品、定期的な検査などで費用が積み重なります。

強度近視でコンタクト中心の生活を続ける場合、10年、20年単位で見るとかなりの金額になるケースも珍しくないでしょう。


ICL手術は初期費用が高いものの、一度手術を受ければランニングコストを抑えられます。

どの方法が費用対効果が高いかは、あなたの年齢や今後の使用期間などによって変わるため、シミュレーションしてみると判断しやすいです。

分割払い・医療費控除など支払い方法と注意点

高額なICL手術費用に対しては、医療ローンや分割払いを利用できるクリニックもあります。

月々の支払い額を抑えられますが、金利や手数料を含めた総額を確認しておくことが大切です。

また、条件を満たせば医療費控除の対象になる場合もあり、確定申告をすれば支払った料金の一部が戻ってくる可能性もあります。


領収書や明細書は、後から必要になることがあるため大切に保管しておきましょう。

支払い方法だけでなく、もしものトラブル時の対応や保証内容についても事前に質問してみてください。


▶大内雅之アイクリニックではICL手術の事前検査をLINEで予約可能です


まとめ

ICLは角膜を削らずに眼内レンズで視力を矯正する方法です。

仕組みやメリット・デメリット、老眼や白内障との関係を知ることが重要です。

自分の年齢や仕事、生活スタイルに合うかどうかを冷静に見極めましょう。

不安や疑問があれば実績のある眼科で相談し、納得してから手術に進むことをおすすめします。

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