ICL手術は視力を大きく改善できる一方で、費用が50万〜80万円ほどと高額になり、金銭面で不安を感じる人も多くいます。
しかし、医療費控除を活用することで、確定申告を通じて税金の一部が還付され、実質的な負担を減せる場合もあります。
この記事では、ICL手術と医療費控除の仕組みや戻り額の目安、必要書類や申告方法、期限まで解説します。
目次
ICL手術と医療費控除の基本知識

この章では、ICLと医療費控除の関係を基本から解説していきます。
ICLは医療費控除の対象になる?
ICL手術は、視力を回復するために行われる医療行為のため、医療費控除の対象になります。
美容目的の施術は控除の対象外ですが、ICLは生活に必要な視力を補う治療として認められています。
そのため、支払った費用が1年間で10万円を超える場合、確定申告を通じて医療費控除を受けることができます。
実際に控除される額は、かかった費用全額ではなく、課税所得や家族の医療費合算によって変わります。
医療費控除を受けるためには、ICL手術の領収書をきちんと保管しておきましょう。
レーシックとの違いと医療費控除の扱い
レーシックもICLと同様に視力を矯正するための医療行為であり、医療費控除の対象です。
ただし、両者には手術方法や費用に大きな違いがあります。
レーシックは角膜を削ることで視力を回復するため、比較的費用は30万〜40万円と抑えられます。
一方、ICLは眼内にレンズを挿入する外科手術であり、費用は50万〜80万円と、これよりやや高額になるのが一般的です。
金額が大きい分、医療費控除を申請した際に控除額や還付金がより高くなるケースも多くあります。
ICLで医療費控除を受けるといくら戻ってくる?

この章では、ICL手術の医療費控除額の計算方法を紹介し、実質的な費用負担について分かりやすく解説します。
控除額の計算方法(10万円以上の医療費が対象)
医療費控除の基本的な仕組みは、1年間に支払った医療費の合計から「10万円」または「所得の5%」のいずれか少ない方を差し引いた金額が控除対象になるというものです。
この控除額に所得税率を掛け合わせることで、実際に戻ってくる税金の目安を計算できます。
年収や課税所得によって還付額は変動しますが、ICLのように高額な手術費用を支払った場合は、かなり大きな控除が期待できます。
シミュレーション例(会社員・年収別)
医療費控除による還付額は、支払った医療費の額だけでなく、年収や課税所得によって大きく変わります。
例えば、年収400万円の会社員がICL手術に60万円を支払った場合、控除対象は50万円前後となり、所得税率10%で計算すると約5万円が還付されます。
さらに住民税の軽減も加わるため、実質的な負担は合計で6〜7万円ほど軽くなる可能性があります。
一方、年収700万円の会社員が同じ条件で手術を受けた場合、所得税率は20%となり、還付額は10万円程度に増えます。
収入が高いほど税率も高くなるため、同じ医療費を支払っても戻ってくる金額は多くなります。
医療費控除の手続き方法と必要書類

この章では、ICL手術で医療費控除を受けるためにそろえておくべき書類や、確定申告の具体的な流れ、申請時に注意すべきポイントを解説します。
申請に必要な領収書と書類一覧
ICL手術の医療費控除を受けるためには、支払いを証明する書類を用意する必要があります。
まず大切なのが、手術費用を支払った際に受け取る領収書です。これは確定申告時に必要なので、なくさず保管しておきましょう。
加えて、国税庁が定める「医療費控除の明細書」を作成し、支払額や医療機関名を記入して提出します。
会社員の場合、勤務先から受け取る源泉徴収票も必要です。自営業やフリーランスの人は、収入や経費を記載した確定申告書を用意します。
また、家族の医療費と合算して申告する場合は、家族分の領収書もまとめておきましょう。
確定申告での提出方法(e-Tax・紙申告)
医療費控除を受けるには、確定申告で医療費の明細を記入し提出する必要があります。
申告方法は大きく分けて二つあり、パソコンやスマートフォンを使ってオンラインで行うe-Taxと、税務署に書類を提出する紙申告です。
e-Taxは自宅から申告できるため、忙しい会社員や遠方に住んでいる人にとって便利です。マイナンバーカードやICカードリーダーがあれば、よりスムーズに手続きが進みます。
一方、紙申告は国税庁のホームページで確定申告書を作成・印刷し、必要書類と一緒に税務署へ提出します。直接窓口に持ち込むことも、郵送で送ることも可能です。
どちらの方法を選んだ場合でも、領収書や源泉徴収票など必要な書類を漏れなく準備することが大切です。
よくあるミスと注意点
ICL手術の医療費控除を申請する際には、いくつかの注意点があります。
まず多いのが、領収書を紛失してしまうケースです。再発行できないこともあるため、受け取ったら必ず保管場所を決めて保存しておきましょう。
また、申告の際に医療費控除の明細書を提出し忘れるのもよくあるミスです。領収書だけでは控除を受けられないため、明細書の作成は必須です。
さらに、交通費の申請漏れも見られます。通院や手術にかかった公共交通機関の費用は医療費として計上できるので、記録を忘れないようにしましょう。
最後に、期限切れの申告にも注意が必要です。医療費控除は5年間まで遡って申告できますが、期限を過ぎてしまわないように、早めの申告を心掛けましょう。
ICL手術の医療費控除の期限や対象者の条件

この章では、ICL手術の医療費控除の申告期限や会社員の場合の扱い、家族の医療費を合算する方法について解説します。
申告期限は5年間まで遡れる
医療費控除の申告は、ICL手術を受けた翌年に行うのが基本ですが、もしその年に申告を忘れてしまっても心配ありません。
先述の通り、医療費控除は申告期限から最長5年間まで遡って申請できる仕組みになっているため、過去に手術を受けた場合でも控除を受けられる可能性があります。
例えば、2025年に手術を受けて申告を忘れた場合でも、2030年までなら還付申告を行うことが可能です。
会社員でも確定申告は必要?
会社員の場合、普段は年末調整で税金の精算が完結するため、確定申告をしたことがない人も多いでしょう。
しかし、ICL手術のように高額な医療費を支払った場合は、年末調整では医療費控除が反映されないため、自分で確定申告を行う必要があります。
確定申告をすることで、支払った税金の一部が還付され、実質的な手術費用の負担を軽減できます。
申告は毎年2月中旬から3月中旬に行われ、e-Taxを利用すれば自宅から申請できるため、忙しい会社員でも手続きは難しくありません。
慣れていないと不安に感じるかもしれませんが、国税庁のサイトにはシミュレーションや入力支援ツールが用意されているので安心です。
家族の医療費を合算する方法
医療費控除は、本人だけでなく生計を一にする家族分の医療費も合算して申告できるのが大きな特徴です。
例えば、自分がICL手術を受け、同じ年に配偶者や子どもが病院にかかった場合、その全ての医療費をまとめて計算できます。
合算することで控除額が大きくなり、結果的に還付される税金も増える可能性があります。
「生計を一にする」とは、同居しているかどうかに限らず、生活費を同じ財布から支出している関係を指します。
そのため、仕送りをしている大学生の子どもや、同居していない扶養家族の医療費も対象になる場合があります。
ICL手術の費用をお得にするポイント

この章では、ICL手術の医療費控除と合わせて利用できる節約の工夫や、負担を減らすためのポイントを解説します。
医療費控除と組み合わせて節約する
ICL手術は高額な出費ですが、支払い方法を工夫することで費用負担を軽減できます。
例えば、医療費控除と合わせて生命保険や医療保険の給付金を受け取った場合は、その分を差し引いた金額が対象ですが、結果的に家計の負担は小さくなります。
また、クレジットカードで支払うことでポイントやマイルが貯まり、間接的に還元を受けることもできます。
このように、医療費控除に加えて利用できる制度や特典を組み合わせれば、ICL手術の費用をより賢く抑えることができるでしょう。
医療費控除以外の節税・補助制度はある?
ICL手術の費用を抑えるために、医療費控除の他にも利用できる制度があるかどうかを確認しておくと安心です。
例えば会社員の場合、勤務先の健康保険組合によっては付加給付制度があり、高額な医療費の一部が戻るケースがあります。
また、自営業者やフリーランスの場合は、国民健康保険の高額療養費制度が該当するか確認してみるとよいでしょう。
ただし、ICLは自由診療にあたるため、制度の対象外となることも多く、事前に各保険者や自治体に確認しておくことが大切です。
複数の制度や支払い方法を組み合わせることで、経済的な不安を和らげられるでしょう。
費用面が不安なら分割払いやローンも検討
費用の負担が気になる場合は、分割払いや医療ローンを利用するのも一つの方法です。
多くのクリニックでは医療専用のローンを取り扱っており、毎月一定額を分けて返済できるため、計画的に費用を準備・支払うことが可能です。
分割回数や金利は金融機関やクリニックによって異なるため、事前にシミュレーションして無理のない返済計画を立てることが大切です。
また、クレジットカード払いに対応している医院の場合、ポイント還元を受けられるメリットもあります。
医療費控除と組み合わせれば、負担を分散しつつ実質的な支払い額も軽減できるでしょう。
まとめ|ICLと医療費控除を正しく活用して実質負担を減らそう
ICL手術は高額な治療ですが、医療費控除を活用すれば税金の還付を受けられ、実質的な負担を軽減できます。
対象になる条件や控除額の計算方法、必要書類、申告の流れを理解しておけば、手続きは決して難しくありません。
また、家族の医療費を合算したり、分割払いや保険制度を組み合わせたりすることで、さらに家計への負担を減らすことが可能です。
「医療行為である」というICLのメリットを活かして、正しい知識を持って医療費控除を有効に活用しましょう。
