ICL手術ができない人の特徴とは?年齢・度数・前房深度・持病などの条件と代替手段を眼科専門医が解説

ICL手術ができない人の特徴とは?年齢・度数・前房深度・持病などの条件と代替手段を眼科専門医が解説

2026.02.10

ICL手術ができない人の特徴とは?年齢・度数・前房深度・持病などの条件と代替手段を眼科専門医が解説

ICL手術ができない人の特徴とは?年齢・度数・前房深度・持病などの条件と代替手段を眼科専門医が解説

この記事の監修者

 
ICL手術ができない人の特徴とは?年齢・度数・前房深度・持病などの条件と代替手段を眼科専門医が解説
大内雅之アイクリニック 院長 大内雅之

2018年大内雅之アイクリニック開設。
眼内レンズ手術(白内障・ICL)手術専門クリニックとして、
総手術件数は25,000件以上。
疾患や治療の説明を端的に、分かりやすくお伝えする啓蒙・修練の場として、メディアへ出演や、数多くの論文・著書の実績も持ち、指導的立場で臨床にあたる。2022-23・2024-25ベストドクターズ、2期連続で選出され、多くの医師からも支持を受けている。
「担当医の顔が見える医療、術前から術後まで執刀医による一貫した診療」にこだわり、患者様がいかに快適に人生を楽しめるか(QOL)を追求し続けている。
東京医科歯科大学 特命教授、北海道大学 非常勤講師、
日本白内障屈折手術学会理事、日本眼科手術学会理事

ICL手術に興味はあるものの、自分はICL手術ができない人の特徴に当てはまるのでは?と不安に感じていませんか。

実際にICL手術は「適応できる人」「慎重に検討すべき人」「適応しない人」という医学的な基準があります。

この記事では、ICL手術ができない人の特徴について解説します。

あわせて、なぜその条件だとICLができないかの理由や、レーシック・オルソケラトロジーなどの代替手段、クリニック選びのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。


目次

そもそもICLとはどんな手術か

ICL手術は、目の中に小さなレンズを入れて近視や乱視を矯正する手術です。

コンタクトレンズをそのまま目のなかに入れておくようなイメージに近いといえます。

滅多にないことですが、術後に何か不具合がある場合には、レンズを取り出して元の状態に近づけることも可能です。

強度近視や角膜が薄い人などレーシックができない人や、レーシック手術に抵抗がある人には特におすすめの視力矯正手術になります。

ICL手術ができない人の医学的な特徴一覧

ICLは多くの人に適応する手術ですが、安全面を考慮して控えたほうがよいケースもあります。

ここでは、ICL手術ができない人の特徴を紹介します。

成長期の子ども

全ての近視矯正手術に共通しますが、ICL手術も例に漏れず、ある程度視力が安定していることが前提です。

特に成長期である10代の人は、これから目の状態が変化することが予想されるため、ICL手術を受けられません。

医学的に年齢制限は設けられていませんが、当院では20~55歳くらいまでの方を対象としています(ただし、特殊な事情や、術前の状態によっては、これを外れる年齢の患者さんに手術をしたこともあります)。

前房深度が浅い・眼内のスペースが足りない人

ICLレンズは、虹彩(黒目の部分)の後ろ側と水晶体(もともとのレンズ)の前側のすき間に固定します。

このスペースが十分にないと、レンズが周囲の組織を圧迫し、眼圧の上昇や合併症につながるおそれがあるからです。

そのため、手術前の検査では前房深度と呼ばれる目の奥行きをくわしく測定し、レンズを安全に入れる余裕があるかをチェックします。

数値がギリギリだった場合、あるいは一般的な適応を僅かに下回るようなケースでは、当院では、前眼部OCTで測定できる眼の様々なデータを洗い直して、適応を検討します。

角膜のかたちが特殊な人

角膜のかたちが極端に歪んでいる円錐角膜や、表面がデコボコしている不正乱視による視力への影響は、ICL手術だけでは改善しません。

また、角膜に濁りや傷跡が残っていると、光がうまく通らず、レンズを入れてもクリアな視界になりにくいこともあります。


上記のようなケースでは、治療出来るものは治療してから手術を検討します。瘢痕性のものなど、治療出来ない場合は、限定的な視力改善であることを理解された上で手術を受けていただきますが、概ね、眼鏡で得られる最良の視力までには改善が得られると考えてよいでしょう。

緑内障・高眼圧・網膜疾患・進行した白内障がある人

すでに緑内障や高眼圧と診断されている人は、その重症度など状況を充分に調べてから、手術の適否を決めなければいけません。また、網膜剥離の既往がある場合も同様です。

眼の奥の病気があり、それが活動期で有る場合は、まずその病気を治療することが先決です。

ICLはあくまで近視や乱視など、眼鏡で矯正できる屈折異常を改善する治療法なので、土台となる目の健康状態が整っていることが前提条件といえるでしょう。

重いドライアイ

ひどいドライアイがあると、手術前後に角膜の表面コンディションが一時的に低下し、見え方が安定しにくいので、ドライアイの管理治療を充分に行いつつ、手術を計画しなければいけません。

しかし、そもそも重症ドライアイの方は、コンタクトレンズの使用が困難で、ICL手術のニーズが高い層なので、条件を良くして、できる限りICL手術を受けていただけるようにしています。

重篤な全身疾患・自己免疫疾患・重症アトピー、ぶどう膜炎など炎症を起こしやすいなど全身の病気

糖尿病や自己免疫疾患など、全身の病気を抱えている人は術後の感染リスクが上がるので、主治医(内科・皮膚科など)との連携が必要になることも多く、眼科だけで判断できないケースもあります。

重症アトピーの人も、目をこするクセや皮膚の状態、感染リスクなど、術後の管理が難しいため、手術の適否やその時期を慎重に考える必要があります。


全身のコンディションも含めて手術に耐えられるかを見ることが、ICLの安全性を守るうえで欠かせません。

ぶどう膜炎など、目の中で炎症を繰り返す病気がある方も対象外になる可能性があります。レンズを入れることで炎症が悪化するリスクも考えられるので、まずは炎症の治療を優先し、目を安定させることが重要です。

妊娠中・授乳中の人やホルモンバランスが大きく変化している時期

妊娠中や授乳中は、ホルモンバランスの変化で角膜の厚みや屈折状態が一時的に変わることがあると言われていましたが、明確なエビデンスはありません。

ただ、授乳中で微量であっても点眼薬の全身吸収が心配な場合は、医師と相談しながら計画を立ててみましょう。

格闘技など強い打撲・衝撃を受けやすい職業・競技の人

ボクシングや総合格闘技、ラグビーなど、頭部や顔面に強い衝撃が加わりやすいスポーツでは、手術創ダメージが懸念されます。

ICLレンズそのものが割れたり破れたりということは極めて稀ですが、強い打撲でレンズがずれたり眼内の構造に影響が出ると、大きなトラブルにつながるおそれもあるので、手術時期については、執刀医と充分に相談しましょう。

ICLの適応検査では何を見ている?クリニックごとの基準の違い

ICL手術ができるかどうかは、短時間の視力検査だけでは判断できません。

ここでは、ICL適応検査の内容や、クリニックごとの判断基準の違いを紹介します。

前眼部OCTや角膜内皮細胞測定など最新機器でわかること

まず、ICL手術が出来るか出来ないかの判断に最も重要な検査がこの二つです。

近年は、前眼部OCTと呼ばれる機器で、角膜や前房、水晶体周りの立体的な画像を撮影できるようになっています。

先進的な機器によって、レンズを入れたときのイメージや、スペースの余裕をより具体的にシミュレーションしやすくなりました。

また、手術で非常に重要なサイジング(ICLのサイズ決定)も、この検査機器によって、従来よりも正確に行えます。


角膜内皮細胞測定器では、内皮細胞の数や形を詳しく解析し、角膜の安全性を見通す指標とします。

最新機器活用することで、以前よりも精度の高いリスク評価が可能になり、同時に、角膜のカーブや厚み、歪みをチェックしレーシックとの向き不向きも含めて評価します。

ただし、どこまで細かく測定してくれるかは、クリニックによって差が出やすいポイントでもあります。

屈折度数・角膜形状・前房深度・眼圧・眼底検査

適応判断が出来れば、次に、移植するICLの度数を決める為の重要項目、近視や乱視の強さを表す屈折度数を確認します。

レンズをどのくらいの度数に設定する必要があるのかを正確に測定するためです。

さらに、眼底検査で網膜や視神経の状態を確認し、屈折矯正以外の病気が隠れていないかも丁寧に調べます。

治療対象・対象外・慎重に検討が分かれる理由

検査結果を踏まえた最終判断は、治療対象 or 対象外 or 実績の多い執刀医によって慎重に行われれば可能、といった結果になることが多いです。

検査数値がすべて理想的な人は分かりやすい一方で、幾つかの項目で基準点近くの“グレーゾーン”に入る人も少なくありません。


この場合、医師は数値だけでなく年齢や職業、今後のライフプランなども含めて総合的に判断します。

リスクを説明したうえで本人が納得してから行うケースもあれば、長期的に見るとおすすめできないと結論づける場合もあります。

同じデータでも、医師の考え方や経験によって結論が変わることがあるので、エキスパートインストラクターなど、より上位資格をもった執刀医が、全患者さんの診察担当を行える施設を選ばなければいけません。

クリニックごとに年齢・度数・前房深度などの基準が違うことも

ICLの適応基準には、メーカーや学会が示すおおまかな目安があります。

ただ、実際の運用では、クリニックごとに年齢や度数、前房深度などの“安全ライン”が異なることはあります。

特に慎重的なクリニックでは、リスクを最小限に抑えるために、基準をやや厳しめにしている場合もあるでしょう。

逆に、豊富な症例数と設備、執刀医のランクを背景に、グレーゾーンでも個別に検討しながら受け入れているクリニックもあります。

どちらが正しいというより、クリニックの安全哲学が反映されていると考えると理解しやすいはずです。

セカンドオピニオンを上手に使うときのポイント

一つのクリニックで治療対象外と言われたとき、どうしても納得できない場合は、セカンドオピニオンを検討してみてください。

その際は、検査結果の数値や診断内容を伝え、なぜ対象外と言われたのか説明しましょう。

別の医師の意見を聞くことで、やはりリスクが高いと意見されることもあれば、条件付きなら可能という見解が得られることもあります。

ただし、より“緩い”基準のところを探し回るというより、説明が丁寧で、リスクも正直に話してくれる、そしてよりICLの上位資格を持った医師を選ぶことが大切です。


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ICLができない場合の代替手段

ICLが治療対象外だったとしても、他に視力を矯正する方法がいくつかあります。

ここでは、ICLができない場合の代替手段と、それぞれどんな人に向いているのかを解説します。

レーシック・PRK

角膜の厚みやかたちに問題がなく、度数も一定の範囲に収まっている場合は、レーシックやPRKといった角膜屈折矯正手術が可能です。

ICLでは前房のスペースが足りなかった人でも、角膜側に十分な余裕があれば、レーシックで安全に手術できるケースもあります。


角膜を削る以上、元に戻せないというデメリットはありますが、歴史が長く実績のある治療法でもあり、なにより他に治療法が無いなかで、患者さんが眼鏡コンタクトレンズからの離脱を希望するのであれば、貴重な治療法であることに変わりはありません。

夜間のハロー・グレアやドライアイの悪化、コントラスト低下、将来の白内障手術精度の低下など、ICLとは違う注意点もあるため、事前にメリット・デメリットをよく聞いて比較しましょう。

オルソケラトロジー

日中は裸眼で過ごしたいけれど、手術には踏み切れないという人には、オルソケラトロジーという選択肢もあります。

オルソケラトロジーとは、就寝中に特殊なハードコンタクトレンズを装用し、角膜のかたちを一時的に変えることで、日中の見え方を改善する矯正法です。

手術ではないため、使用を中止すれば元の状態に戻せることがメリットです。


一方で、毎日寝るまえに付ける必要があり、やめると効果が落ちる点には注意が必要です。

また、初期費用も通常のコンタクトレンズよりは高額となり、継続している間は、持続的に費用がかかるという点も知っておくべきでしょう。

ご自身の生活スタイルとの相性を考えながら、長く続けられそうかどうかを検討してみましょう。

多焦点眼内レンズ

年齢とともに白内障が進んでいる場合、視力低下の主な原因は水晶体の濁りにあります。年齢だけでこの術式を選択するのは間違っていますが、すでに軽度でも白内障が発症しているのであれば、ICLよりも白内障手術で水晶体そのものを取り換える方法がおすすめです。


最近は、遠くと近くのピントを合わせられる多焦点眼内レンズなど、老眼も含めた見え方を改善するレンズも登場しています。

見え方に悩むすべての人に向くわけではありませんが、白内障の治療と視力矯正を同時に対策でき、そして白内障治療を含めた屈折治療としてはゴールとなる選択肢として検討する人も多いです。

年代や仕事、趣味なども踏まえ、どうするべきかを医師とよく相談しましょう。

眼鏡・コンタクト

手術や特殊なレンズに抵抗がある人にとっては、これまで通り眼鏡やコンタクトを使用するのも勿論間違った選択でも時代遅れでもありません。

最近は眼鏡やコンタクトの性能も向上しており、薄型レンズや高酸素透過性コンタクトなど、身体への負担を軽くする工夫が施されています。

仕事や子育てなどで、今は手術の予定を入れにくい場合もあるかもしれません。

その場合は、無理に決断を急がず、数年後にあらためて検討してみてください。

後悔しないICLクリニックの選び方と相談するときのコツ

ICL手術はどのクリニックで受けるかと、誰に相談するかが、結果や満足度に直結します。

この章では、後悔しないICLクリニックの選び方と相談するときのコツについて解説します。

ICL症例数・実績だけでなく、検査体制とフォローをチェック

クリニックを選ぶ際、多くの人がまず気にするのが症例数や実績です。

ただし、単純な数字で判断すると誤ります。最も注意が必要なのは、まずそれらの数字が、誰の実績か、何名の医師の実績を合わせた数字かです。御自身の担当医=執刀医個人の実績で無ければ意味はありません。


そして、数だけで無く、専門家同士の公平で正しい評価=講演、論文実績は、もっとも信頼に足るものなので、最初に確認しなければいけません。これも、よく中身を見なければ、単にICL以外の矯正レンズを沢山使った(=買った)ことで海外企業から表彰されたものを、外国人と一緒に写した写真と一緒に載せているだけのものがあります。国内プラス世界中で最も人の眼に沢山移植されているレンズはStaar社のICLなので、このレンズを使った手術の上位資格と講演実績だけが、その証明となることに注意してください。


さらに、それだけで判断するのではなく、どれだけ丁寧に検査をしているか、術後のフォロー体制が整っているか、も重要なポイントです。医師だけで無く、検査員にも講演や論文実績があれば最強と言えます。

前眼部OCTや角膜内皮の測定など、ICLに必要な検査が一通りそろっているかも確認しておきましょう。

治療対象外の理由をきちんと説明してくれるか

診察の結果、ICL手術はおすすめできませんと言われることもあります。

そのときに大切なのは、なぜ治療対象外なのかをあなたが納得する言葉で説明してくれるかどうかです。

前房が浅いのか、内皮細胞が少ないのか、網膜や白内障に問題があるのか、といった医学的な根拠に基づいて説明されれば、気持ちの整理もできるでしょう。


逆に、危ないからやめましょうといった抽象的な説明だけだと、不信感やモヤモヤが残ってしまうかもしれません。酷いところでは、乱視矯正用のICL手術が苦手な医師が「乱視があるからLASIKで行きましょう」などと説明してくることもあります。

更に悪質なものとして、ICL手術医の認定資格を取れなかった医師による、必要以上に慎重姿勢を流布するYou Tubeにも要注意で、その中には、テレビの情報番組にも頻出している医師が居ますが、無責任な発言をする、ICL手術の経験の無い医師の言葉には注意が必要です。


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近視の手術? 病気じゃないのに手術なんてやらない方がいいよ、、、?

納得できる説明をしてくれるかどうかは、クリニックの誠実さを測る一つの指標といえるでしょう。

メリットだけでなくリスクや限界も伝えてくれるか

ICL手術には、多くのメリットがある一方で、リスクもゼロではありません。

信頼できる医師は、良い面だけでなく、起こりうる合併症や見え方の変化、将来の老眼や白内障との関係についても正直に話してくれるはずですし、更に言えば、白内障手術に関しても十分な講演論文実績を持っているはずです。

良い側面しか説明されなかった場合、そのクリニックは避けたほうが無難かもしれません。

リスクも説明し、フォローしてくれる医師であれば、手術を任せて問題ないでしょう。

無料カウンセリングで確認したい質問リスト

多くのクリニックでは、手術前にカウンセリングや初回相談の機会を設けています。

この場では、単に話を聞くだけでなく、自分から積極的に質問してみてください。

たとえば、自分の目の場合、どんなリスクが考えられるか、老眼が出てきたらどうなるか、術後の通院はどのくらい必要かといった点です。


費用の内訳や、追加料金が発生するケースなども、遠慮せず確認しておきましょう。

事前に聞きたいことをメモして持参するのがおすすめです。聞き忘れを防げるので、納得するまで相談できるでしょう。

不安なときは一度持ち帰って考える時間をもつことも大切

カウンセリングのあと、その場で即決を迫られると、つい勢いで申し込んでしまいそうになるかもしれません。

しかし、少しでも不安なら、一度持ち帰って冷静に考えましょう。

家族に相談したり、別のクリニックの話も聞いて比較したりすることで、気持ちの整理ができます。

近視は必ず治さなければいけない疾患ではありません。今すぐ決めなくてはと焦らず、自分のペースで手術を受けるか判断してみてください。


▶大内雅之アイクリニックではICL手術の事前検査をLINEで予約可能です

まとめ

ICLができない人の特徴には、年齢や度数だけでなく、前房深度や角膜内皮細胞数、持病や生活スタイルなど多くの要素が関わっています。

医師が治療対象外と判断するのは、将来的なトラブルを避けるための措置です。

ICLが難しい場合も、レーシックやオルソケラトロジー、白内障手術、多焦点眼内レンズ、眼鏡・コンタクトなど選択肢はあります。

ネットの情報だけで判断せず、検査と医師の説明を受けたうえで、自分が納得できる視力矯正法を選んでみてください。

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