ICL手術後の眩しさはなぜ?ハロー・グレアの原因と治るまでの期間、対策を解説

ICL手術後の眩しさはなぜ?ハロー・グレアの原因と治るまでの期間、対策を解説

2025.09.30

ICL手術後の眩しさはなぜ?ハロー・グレアの原因と治るまでの期間、対策を解説

ICL手術後の眩しさはなぜ?ハロー・グレアの原因と治るまでの期間、対策を解説

この記事の監修者

 
ICL手術後の眩しさはなぜ?ハロー・グレアの原因と治るまでの期間、対策を解説
大内雅之アイクリニック 院長 大内雅之

2018年大内雅之アイクリニック開設。
眼内レンズ手術(白内障・ICL)手術専門クリニックとして、
総手術件数は25,000件以上。
疾患や治療の説明を端的に、分かりやすくお伝えする啓蒙・修練の場として、メディアへ出演や、数多くの論文・著書の実績も持ち、指導的立場で臨床にあたる。2022-23・2024-25ベストドクターズ、2期連続で選出され、多くの医師からも支持を受けている。
「担当医の顔が見える医療、術前から術後まで執刀医による一貫した診療」にこだわり、患者様がいかに快適に人生を楽しめるか(QOL)を追求し続けている。
東京医科歯科大学 特命教授、北海道大学 非常勤講師、
日本白内障屈折手術学会理事、日本眼科手術学会理事

ICL手術後、視力が回復しても「光の輪が見える」「眩しく感じる」といった症状に悩む人は少なくありません。
症状のほとんどは時間とともに軽減しますが、不安な場合は原因や対策を知っておくことが大切です。

本記事では、ICL手術後に見られる症状の種類や原因、改善の目安、対策方法などを詳しく解説します。



ICL手術後に見られる症状の種類



ここからは、ICL手術後によく現れる症状を紹介します。

ハロー(光の輪が見える)

ハローとはなんらかの光を見たときに、その周囲に光輪が広がって見える現象で、主に夜間やトンネル内などの暗い場所で車のヘッドライトや街灯といった光源を見たときに発生します。
ほとんどのケースでは、術後数か月で脳が光に慣れ、改善されることが多いです。
しかし、症状があまりに強く日常生活に支障をきたす場合や、症状が長引く場合は医師に相談しましょう。



グレア(光がにじんで眩しい)

グレアは、光が線状や放射状ににじんで見え、異常な眩しさを感じる症状です。

乱視やドライアイがある場合に症状が悪化しやすいです。
事故の危険性もあるので、異常な眩しさを感じる場合や夜間の運転は控えましょう。



白いモヤ・視界のかすみ

術後は、角膜の微細なむくみや涙液の乱れによって一時的に白いモヤや視界のかすみが生じることがあります。
通常は数日〜数週間で症状が改善しますが、症状が長引く場合や悪化した場合は、感染や炎症の可能性が考えられるため、早めに医師に相談しましょう。

なぜICL手術後に光がにじむのか?原因とメカニズム



前述のハローやグレアといった現象は、ICL手術後初期に多くの方が経験する症状です。
この章では、光がまぶしく見えたり、輪のように広がって見えたりする原因と仕組みを解説します。

角膜やレンズ構造による光の屈折

ICL手術では、目の中にある虹彩の後ろに人工レンズを挿入します。
このとき、角膜やレンズ表面で光が屈折する際にわずかな乱れが生じると、光が拡散してしまい、ハローやグレアといった症状が現れるのです。
また、ICLには眼の中の水の流れを確保するための貫通孔があります。その穴の縁を通ってくる光が眼の中に投影されるときに、そのような症状が起こります。
特にレンズの位置や形状によっては、光の散乱が強まり、夜間や暗い環境で症状を感じやすくなる場合もあります。



瞳孔の大きさと暗所での症状

瞳孔が大きい人は、暗い場所でより多くの光が目に入るため、レンズの周辺部や角膜の境界で光が反射しやすくなります。特に若い方は瞳孔が大きい傾向にあるので、これらの症状が出やすいですが、年齢と共に瞳孔径は小さくなります。
目の中で光が反射しやすい影響で、夜間における車の運転中や街灯を見たときに光の輪が強く感じられるのです。



乱視やレンズ位置ズレの影響

ICL手術後に乱視が残っていると、光が一点に集まりにくく、線状や放射状に広がって見えることがあります。
また、レンズがわずかに傾いたり位置がずれたりすると、光が均一に屈折せず、症状が悪化する場合もあります。
こういったケースは少ないですが、症状が出た場合は度数調整や追加治療で改善が期待できます。

ICL手術後の症状はいつまで続く?改善の目安



ICL手術後に現れるハローやグレアなどの症状は、個人差があるものの、多くの方は時間とともに軽減していきます。
この章では、術後から症状が改善するまでの目安について解説します。

術後すぐ〜1か月以内は安静に

ICL手術後数日は眼内の炎症、角膜に微細なむくみがあり症状が強めに出やすく、その後も一ヶ月くらいは涙液バランスが乱れていたりするため、若干症状があります。
この時期は、車の運転や重機の操縦などの精密な作業をするときは、安全に出来るか、確認しましょう。
医師の指示に従い、症状が良くなるまで経過観察することが大切です。



3〜6か月で症状が落ち着く

手術から3~6ヶ月が経過すると、多くの方は光の屈折や散乱に脳が適応し、症状が自然と軽減していきます。
よほど神経質な性格の方でなければ夜間のハローやグレアも次第に気にならなくなり、生活への影響はほとんどなくなるでしょう。
車の運転や重機の操縦など精密な作業も、この時期には問題なく行えるケースが多いです。

ICL手術後の症状を軽減・改善する方法



ICL手術後にハローやグレアなどの症状が気になる場合でも、日常生活の工夫や適切なケアで症状を緩和できます。
この章では、取り入れやすい対策方法を紹介します。

目を保護する

手術直後の目はとてもデリケートです。かゆみや眩しさを感じても、こすったり触ったりするのは避けましょう。
目が傷つき、症状が悪化するおそれがあります。
また、スポーツや作業中に目に物が当たるような状況も避けるようにしましょう。



遮光メガネ・ハイコントラストレンズを使用する

夜間運転では、街灯や対向車のライトが強く眩しく感じられることがあります。
そんな時は、ハイコントラストレンズや遮光メガネを使用すると眩しさが和らぎます。
ハイコントラストレンズとは、色の明暗や濃淡を見分けやすくすることで、視界がより鮮明になるレンズです。
これらはメガネ店で販売しているので、症状が気になる方はチェックしてみてください。



点眼薬を使用する

ICL手術後はドライアイになりやすいです。
目が乾いていると表面の膜が不安定になり、光が乱反射しやすくなります。
特に術後早期は目の乾燥を防止するために、人工涙液や保湿効果の高い点眼薬で潤いを保ちましょう。市販の点眼薬ではなく、医師から処方されたものがおすすめです。
また、自宅では加湿器を使用したり、目を休める時間を設けたりすることで症状が改善しやすくなります。

ICL手術後の症状が長引く・悪化した場合の対処法



ICL手術後の症状は、多くの場合数か月で落ち着きます。しかし、6ヶ月以上経っても改善しない、または悪化している場合は注意が必要です。上記で説明したこと、以外のことが起きている可能性があるからです。
放置すると生活の質が低下するだけでなく、目の健康に悪影響を及ぼすおそれもあります。
この章では、ICL手術後の症状が長引く・悪化した場合の対処法を解説します。

視力低下・痛み・充血があったらすぐに受診する

ICL手術後に視力が急激に低下する、目がひどく痛む、ずっと充血しているなどの症状がある場合は、すぐに眼科を受診してください。
原因としては術後の二次感染や炎症の長期化、レンズの位置ズレなどが考えられ、
早期の対応が必要なケースが多いです。
自己判断で放置するのは危険なので、少しでも異変を感じたら、手術を受けたクリニックまたは近くの眼科へすぐに連絡しましょう。



セカンドオピニオンを活用する

症状が改善しない場合、他院で意見を聞くこともおすすめです。
別の医師が診察することで、新たな原因や改善策が見つかることがあります。
セカンドオピニオンは転院ではなく、情報収集の手段です。ただし、ICLの手術を行っている医師(認定医)でなければ、ICL術後患者さんの訴えに適切な判断が出来ない可能性があります。
事前に質問内容をメモしておくと、スムーズです。

ICL手術で失敗しないための病院の選び方



ICL手術を受けるにあたり、病院選びは非常に重要です。
高度な技術が求められる手術のため、実績のある医師を選びましょう。この章では、病院選びの際に注意すべきポイントを解説します。



執刀医が常勤医か確認する

ICL手術は、手術だけでなく、術後の経過観察や合併症への対応も重要です。
執刀医が常勤であれば、術後にトラブルがあっても同じ医師に一貫して診てもらえるため安心です。

病院やクリニックの公式サイトで医師紹介ページを確認し、「院長」「常勤医」「専門医」などの記載があるか確認しましょう。



実績と経験を確認する

ICL手術症例数が多いほど技術力が高まります。
また、執刀資格のある認定医のなかでも、インストラクター、エキスパートインストラクターと上位になるほど、当然経験や技術と知識は高くなります。

年間の手術件数が多い病院(概ね300眼/年以上)では、ICL手術が定期的に行われているため、安定した技術が期待できます。
また、公式サイトなどで、執刀医名とその略歴、手術実績を公表している施設は、より信頼できるでしょう。



医師の資格や専門性を確認する

ICL手術を担当する医師の資格や専門性も重要です。特にICL手術認定医のなかでも「ICLインストラクター」さらには「エキスパートインストラクター」の資格を持つ医師は、ICL研究会で認められている、一定以上の執刀数と確かな技術を備えています。

なお、当院院長はICL認定医のなかでも、京都で唯一StaarSurgical社のエキスパートインストラクターであり、国内に16名しかいない院外指導医の1人です。


くわしくはこちら

さらに、学会で講演を行っていたり、論文執筆がある、また最新の技術を積極的に学んでいる医師は、より精度の高い手術ができる可能性があります。カウンセリング時に、医師の知識や対応の丁寧さを確認することも、安心して手術を受けるためのポイントです。



患者の口コミや評判をチェックする

実際にICL手術を受けた人の口コミや評判は、病院の対応や医師の技術力を把握できます。特に、術後の満足度やアフターケアについての感想、術者からの返信があれば、病院選びの参考になります。
ただし、匿名レビューは信頼性にばらつきがあるため、複数のサイトやSNSを見比べて総合的に判断しましょう。



料金体系が明確か確認する

ICL手術の費用は病院によって異なるため、料金体系が明確な病院を選ぶことが大切です。追加費用が発生しないか、事前に確認しておきましょう。

料金が不明瞭な病院では、予想外の費用がかかるケースもあるため、事前のカウンセリングで詳細をしっかり確認することが重要です。



低価格を売りにしていないかをチェックする

ICL手術はオーダーメイドのレンズを使用するため、一定の費用がかかります。そのため、過度に低価格を強調している病院には、何か理由があるはずですので注意が必要です。
経験の浅い医師が担当していたり、その医師に経験を積ませるために精力的な集患をしていたり、アフターケアが不十分なケースもあるため、価格だけで判断せず、医師の技術力やフォロー体制を重視しましょう。


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まとめ

ICL手術後の症状は、多くの場合数か月以内に改善しますが、改善のスピードや症状の出方には個人差があります。
症状が半年以上続く・悪化する・視力低下や痛みを伴う場合は、放置せず医師に相談しましょう。

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