白内障手術後の生活はいつから普通に戻れる?家事・スマホ・運転・仕事に戻る目安を解説

白内障手術後の生活はいつから普通に戻れる?家事・スマホ・運転・仕事に戻る目安を解説

2025.07.28

白内障手術後の生活はいつから普通に戻れる?家事・スマホ・運転・仕事に戻る目安を解説

白内障手術後の生活はいつから普通に戻れる?家事・スマホ・運転・仕事に戻る目安を解説

この記事の監修者

 
白内障手術後の生活はいつから普通に戻れる?家事・スマホ・運転・仕事に戻る目安を解説
大内雅之アイクリニック 院長 大内雅之

2018年大内雅之アイクリニック開設。
眼内レンズ手術(白内障・ICL)手術専門クリニックとして、
総手術件数は25,000件以上。
疾患や治療の説明を端的に、分かりやすくお伝えする啓蒙・修練の場として、メディアへ出演や、数多くの論文・著書の実績も持ち、指導的立場で臨床にあたる。2022-23・2024-25ベストドクターズ、2期連続で選出され、多くの医師からも支持を受けている。
「担当医の顔が見える医療、術前から術後まで執刀医による一貫した診療」にこだわり、患者様がいかに快適に人生を楽しめるか(QOL)を追求し続けている。
東京医科歯科大学 特命教授、北海道大学 非常勤講師、
日本白内障屈折手術学会理事、日本眼科手術学会理事

白内障手術後、「いつから普段通りの生活に戻れるの?」「家事やスマホは問題ない?」と悩んでいませんか?

本記事では、そんな白内障手術後の生活に関するよくある不安や疑問を、回復の段階ごとにわかりやすく解説します。

白内障手術後に安心して毎日を過ごすためにも、ぜひ最後までご覧ください。



白内障手術後、普通の生活に戻れるタイミングは?



白内障手術後の生活は、目の回復状況に応じて段階的に戻していくことが大切です。

「いつから何をしていいのか分からない」と戸惑う方も多いですが、行動によって再開できる時期は異なります。

ここでは、代表的な日常行動について再開の目安と注意点を紹介します。



スマホやパソコンはいつから使ってもいい?

スマホ・パソコンの使用は、特に術眼に影響することはありません。デスクワークなどの、手や顔が汚れない日常の仕事には、早期に復帰したほうが、眼と脳のコミュニケーションも良くなり、回復も早くなります。ただし、手術当日は多くの場合眼帯をするので、片眼での長時間作用は疲れが強く出る可能性があります。適度に休めてください。

画面を見る際はブルーライトカット眼鏡を活用したり、画面の明るさを下げるなどの工夫が効果的です。

目が疲れたと感じたら、すぐに休憩をとるよう心がけてください。



テレビ視聴は目に負担がかかる?再開の目安とは

テレビの視聴もスマホと同様に、手術当日から可能です。
ただし、画面からの距離が近かったり、長時間見続けたりするのは控えたほうが良いでしょう。

著しく明るい画面や暗い部屋での視聴は、手術の有無にかかわらず注意が必要です。



車の運転はいつから可能?

車の運転が眼に悪影響をもたらすことはありませんが、視環境が大きく変化しているため、安全運転が出来るかがポイントになります。

特に夜間の見え方は、以前と大きく異なります。先ずは、昼間の運転から始めてみて下さい。
さらに、両目の視力バランスがとれていないと距離感がつかめず、思わぬ事故につながる可能性があるためです。

多くの方は手術後2~3日で運転再開の許可が出ますが、必ず眼科で視力検査を受けてから判断しましょう。見落としがちな重要事項として片目の手術を受けた場合、もう一方の目との見え方の違いに注意が必要です。



掃除・洗濯・料理など家事の再開タイミングは?

家事の再開は、翌日から軽い作業から始めることができます。

ただし、炎症や二次感染の恐れがあるため、ほこりや水しぶきが目に入らないように細心の注意を払いましょう。

掃除機がけや洗剤を使う作業など、顔や手が汚れる仕事は1週間ほど経ってからが安全です。

また、油を使う料理やアイロンがけなどの、危険を伴う家事は少し先に延ばすほうが良いでしょう。



お酒はいつから飲める?飲酒と目の回復の関係

飲酒は血行を促進しすぎて炎症や出血のリスクを高める恐れがあるため、手術後すぐは控えるべきです。
一般的には、軽い飲酒なら手術後数日程度で可能になるといわれています。

ただし、個人差があるため、医師の指示を必ず確認してください。しかし大量の飲酒や連日の摂取は回復を妨げる可能性があるため注意が必要です。



シャンプー・洗顔はどうする?目に水が入るリスクと対策

シャンプーや洗顔は、目に水や泡が入ることで感染リスクが高まります。

洗顔は術後3~4日程度経ってから、顔を拭く程度の軽いケアから始めましょう。

シャンプーは1週間ほど控え、再開する際も、シャンプーなど目にしみるものが入らないよう注意しながら行うことが望ましいです。

美容室などでの洗髪サービスを利用するのも一つの方法です。



重いものを持つのはNG?再開時期と許容重量の目安

白内障手術後に重い物を持ち上げると、眼内圧が上昇して出血などのリスクが生じます。

特に術後1週間は、買い物袋やペットボトルのケースなど3~5kg以上の重量物を持ち上げないよう指導されることが一般的です。

重い荷物を運ぶ場合は、家族に手伝ってもらうようにしましょう。



寝る姿勢はどうすべき?横向き・うつ伏せは避けるべき?

手術後は寝る姿勢にも注意が必要です。

手術を受けた側の目を下にして寝ると、眼内に圧力がかかる可能性があるため、仰向けか反対側を下にするのが理想的です。

医師の指示がない限り、うつぶせ寝は避けたほうが安全です。

また、就寝時に眼帯をつけることで無意識の接触やこすりを防げます。



性行為はいつからが安全?医師の見解とは

性行為自体は、手術眼に影響を及ぼすことはありませんが、目に圧がかかることや無意識に目をこするリスクもあるため、十分に注意は必要です。目の状態に異常がなく、視力が安定してからが望ましいとされています。

不安がある場合は、事前に医師に相談することをおすすめします。



旅行や飛行機はいつからOK?

眼の手術の中でも白内障手術は乗り物の乗車や飛行機、気圧の変動に影響を受けることはありません。
ただし、旅行先での目薬の管理や、衛生状態への配慮も忘れずに行いましょう。



ウォーキング・軽い運動はどのタイミングから可能?

軽い運動や散歩は、手術翌日から再開可能とされています。

ただし、直射日光やほこり、風の強い場所は避けましょう。

ジョギングやジムでの運動など、体に負荷のかかる活動は術後1週間以降を目安にし、無理せず様子を見ながら進めましょう。しかし、球技や格闘技など、顔にものが当たる可能性のあるスポーツは一ヶ月は避けてください。


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白内障手術後に異常を感じたら?トラブルと対処法



白内障手術は比較的安全性が高い手術とされていますが、まれにトラブルや後遺症が起こることもあります。

手術後の違和感や見え方の変化には個人差がありますが、視力を守るためには異常の兆候を早期に見分けて対応することが非常に重要です。

ここでは、よくある異常症状とその対処法について詳しく解説します。



視力が回復しない・ピントが合わない場合

白内障手術後に「視力が戻らない」「ピントが定まらない」と感じる方もいます。

通常は手術から数日~数週間で視力が安定していきますが、なかには「後発白内障」と呼ばれる状態になることがあります。

後発白内障とは、白内障手術後に眼内レンズを固定している袋が濁ることで視力低下などを引き起こす合併症で、再び視力がぼやける原因となります。
しかしこれは、レーザーによる処置により、外来で直ぐに改善するので、視力に明らかな違和感がある場合は早めに眼科で相談しましょう。


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ゴロゴロ・違和感が長引くときの原因と対策

手術後しばらくのあいだ、異物感やゴロゴロとした違和感を覚える方も少なくありません。

これは眼球に傷が残っていたり、目薬による刺激、乾燥などが原因となっている場合があります。

こういった違和感が1週間以上続く場合や、痛みや強いかゆみを伴う場合は注意が必要です。

傷口から細菌が入り、感染症(眼内炎)を引き起こすこともあるため、症状が改善しない場合はすぐに受診するようにしましょう。



白いもや・二重に見えるのは危険?病院に行く目安

「白いもやがかかったように見える」「物が二重に見える」といった症状は、視機能の異常を示すサインです。

軽度であれば一時的なものとして様子を見ても問題ないですが、症状が続く・悪化した場合、眼内の炎症や水晶体のずれなどが疑われます。

なかには網膜剥離など、重大な目の病気が関係しているケースもあるため、見え方に急な変化があった際には放置せず、速やかに眼科を受診してください。

白内障手術後の生活でよくある質問Q&A



白内障手術後の生活について、「これっていつまで続ければいいの?」「もう普段通りに戻していいのかな?」と不安になることもあるでしょう。ここでは、実際によく寄せられる質問を取り上げ、安心して生活を送るためのポイントをQ&A形式で解説します。



通院はいつまで続ければいい?

白内障手術後の通院は通常、手術の翌日・1週間後・1ヶ月後の計3回です。

ただし、目の状態や合併症の有無によって、通院回数が増減することもあります。

炎症や視力の異常が見つかった場合は、追加の診察や検査が必要になることもあります。

違和感やぼやけが残っている場合は、次回の受診を待たずに早めに相談しましょう。通院を継続することで、後遺症の予防と早期発見につながります。



眼帯はいつまで?寝るときの姿勢は?

結論として、ガーゼ眼帯は術後1〜2日で外すことができますが、保護用の眼帯や眼鏡は寝るときは一週間装着しましょう。

これは、就寝中に無意識で目をこすったり、枕と接触してしまうことを防ぐためです。

また、手術を受けた日は仰向け、もしくは横向きで寝るようにしてください。

横向きの場合は手術をした目を下にしないようにし、目を圧迫しない姿勢を心がけましょう。



目薬はいつまで差す?中止の判断は?

手術後の点眼薬は、炎症予防・感染予防・眼圧の調整などの目的で処方されます。

目安は、術後1〜2ヶ月ほどですが、内容や回数は手術の経過や状態に応じて変化します。

自己判断での中断は、視力の回復を妨げる原因になりかねません。勝手に回数を減らしたり中止したりせず、必ず医師の指示を守りましょう。



片目ずつ手術する場合の間隔と注意点

白内障手術は、通常片目ずつ行われます。
両目を手術する場合、1〜2週間程度間隔を空けるのが一般的とされています。

これは、片方の目の回復状況を確認してから、もう一方を進めるという意味もありますが、術後の見え方に拘る手術施設では、片眼の結果を見てからもう片眼のレンズ選択を調整するためです。

両目で見え方のバランスが異なる期間が生じるため、その間は歩行や運転などに十分注意しましょう。

また、メガネの調整も両目の視力が落ち着いてから行う必要があります。

まとめ|白内障手術後の生活を安心して過ごすために

白内障手術後の生活は、正しい知識と回復への意識が何より大切です。見え方の変化や生活上の不安は誰もが感じるものですが、順調な回復には医師の指示に従い、無理せず過ごすことが重要です。

質の良い手術を受けることで、スマホやテレビの使用、危険の伴わない作業や、運転、家事などの日常は出来るだけ早期に復帰して頂けます。
ただし、異常を感じた際は早めに病院を受診し、不安を一人で抱えず眼科に相談しましょう。

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