白内障になりやすい人の特徴とは?年齢・遺伝・生活習慣から見るリスクと予防

白内障になりやすい人の特徴とは?年齢・遺伝・生活習慣から見るリスクと予防

2025.07.07

白内障になりやすい人の特徴とは?年齢・遺伝・生活習慣から見るリスクと予防

白内障になりやすい人の特徴とは?年齢・遺伝・生活習慣から見るリスクと予防

この記事の監修者

 
白内障になりやすい人の特徴とは?年齢・遺伝・生活習慣から見るリスクと予防
大内雅之アイクリニック 院長 大内雅之

2018年大内雅之アイクリニック開設。
眼内レンズ手術(白内障・ICL)手術専門クリニックとして、
総手術件数は25,000件以上。
疾患や治療の説明を端的に、分かりやすくお伝えする啓蒙・修練の場として、メディアへ出演や、数多くの論文・著書の実績も持ち、指導的立場で臨床にあたる。2022-23・2024-25ベストドクターズ、2期連続で選出され、多くの医師からも支持を受けている。
「担当医の顔が見える医療、術前から術後まで執刀医による一貫した診療」にこだわり、患者様がいかに快適に人生を楽しめるか(QOL)を追求し続けている。
東京医科歯科大学 特命教授、北海道大学 非常勤講師、
日本白内障屈折手術学会理事、日本眼科手術学会理事

「年を取れば誰でもなる可能性がある」と思われがちな白内障ですが、発症の要因はそれだけではありません。生まれたときからの遺伝的な要素や、日々の何気ない生活習慣も、白内障の発症リスクを大きく左右する可能性があるのです。

本記事では、白内障になりやすい人の特徴や原因をわかりやすく解説します。
年齢や遺伝、生活習慣がどのように影響するのかを知ることで、早めの対策や予防につながります。セルフチェックの参考としてもご活用ください。



白内障になりやすい人の特徴



白内障は、さまざまな要因によって引き起こされる目の病気です。
加齢が原因で発症する人が多いですが、実はちょっとした生活習慣などが白内障のリスクを高める場合もあります。
ここでは、白内障になりやすい人の特徴について詳しく解説します。



ステロイド薬を長期的に使用している

長期間にわたりステロイド薬を使用することで、白内障が発症するケースがあります。
ステロイド薬は炎症やアレルギー反応を抑えるために用いられる強力な薬ですが、副作用として水晶体が濁ってしまうことがあります。
これは「ステロイド性白内障」と呼ばれ、内服薬や点眼薬、吸入薬など、さまざまな種類のステロイド薬を使用していることが原因です。
特に自己免疫疾患や喘息、アトピー性皮膚炎などの治療で長期的にステロイド薬を使用している方は注意が必要です。


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紫外線や放射線を大量に浴びている

長時間紫外線を浴びる習慣がある人も、白内障になりやすい傾向があります。
紫外線が目の水晶体にダメージを与え、徐々に濁りを生じさせるからです。
特に屋外での活動が多い人や、サングラスを使わない人は注意しましょう。
また、放射線治療や過度なX線曝露も、白内障のリスクを高めます。
こちらは「外傷性白内障」の一つとして分類され、職業上、被曝のリスクがある人も注意が必要です。



過度なストレスを抱えている

ストレスと白内障は無関係のように見えますが、実は症状の進行に影響する場合があります。
白内障の原因の一つは酸化ストレスによって、水晶体が濁ることだと考えられています。
酸化ストレスとは、生体内で活性酸素の発生が抗酸化防御機構を上回り、細胞が酸化される状態のことで、さまざまな疾病や老化との関連が示唆されています。

近年の研究では、慢性的なストレスを抱える人ほど白内障を発症しやすい傾向があると報告されています。特に、長時間のデスクワークや睡眠不足など、現代社会特有のストレス環境にある人は発症リスクが高いです。


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糖尿病を患っている

糖尿病を患っている方は、白内障を発症しやすい傾向にあります。
最新の研究によると、血糖コントロールの機能不全によって、目の水晶体に「ソルビドール」という糖の一種や、糖化タンパクが蓄積すると考えられています。
糖尿病性白内障は、比較的若い年齢でも発症することがある病気の1つです。糖尿病患者は目の健康にも気をつける必要があります。
定期的な眼科健診と、血糖コントロールを心がけましょう。


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目に大きなケガを負った

目に強い衝撃を受けることで、水晶体が傷つき、白内障が発症するリスクが高まります。
これを「外傷性白内障」と呼びます。
スポーツ中の事故や転倒、工具や金属片による外傷などが主な原因です。

アトピー性皮膚炎などを患っている人も注意しなくてはなりません。かゆみによって目の周りを激しく搔いたり、時には瞼の上から叩くようにする人がいますが、そうすると水晶体が変性してくる場合があるからです。
外傷性白内障は、加齢性白内障とは異なり、比較的急激に進行するケースが多いです。
自覚症状や心当たりがある場合は、早急に検査や医療措置を受けましょう。



家族に白内障経験者がいる

遺伝的な体質や先天的な異常も、白内障の原因の一つです。
「先天性白内障」と呼ばれ、出生時から白内障が見られるケースもあります。およそ1万人に3人の割合で発症する稀な病気です。

また、生後すぐではなく、成長の過程で水晶体の濁りなどの症状が進む「発達白内障」の場合もあります。
いずれにしても生涯にわたる視力障害のおそれがあり、放置すると治療が困難になりかねません。自覚症状がある方は、すぐに眼科を受診しましょう。


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喫煙習慣がある

日常的に喫煙する習慣がある人は、要注意です。タバコを1日20本吸うと、白内障の発症リスクが最大3倍になるといわれています。
WHOが国際失明予防機関およびニューカッスル大学と共同で作成した報告書にも、以下のように記されています。


“Smoking increases your risk of developing serious eye conditions and permanent sight loss. Quitting smoking and having regular eye tests can help improve eye health and prevent avoidable sight loss”
「喫煙は、深刻な目の病気や永久的な視力喪失を引き起こすリスクを高めます。禁煙し、定期的に目の検査を受ける事は、目の健康を改善し、避けられない視力喪失を防ぐのに役立ちます」

引用元:WHO公式サイト


タバコと白内障の因果関係は、詳しくは不明です。一説によると、タバコの煙に含まれるニコチンが血流を悪化させ、目に必要な栄養素が充分に送られなくなることが原因ではないかと考えられています。
白内障へ不安がある方や自覚症状がある方は、1日の喫煙本数を減らすことから始めてみましょう。



食生活が乱れている

目の健康を維持するには、体内の抗酸化作用が大きな役割を果たしています。
ビタミンCやビタミンE、ルテインなどの栄養素が不足すると、水晶体の酸化が進みやすくなり、白内障のリスクが高まります。
インスタント食品やジャンクフード中心の食生活では、これらの栄養素が不足しがちです。
また、過剰な糖分の摂取も血糖値の乱れを引き起こし、目の細胞に悪影響を与えることがあります。
日頃から緑黄色野菜や魚類、果物などをバランスよく取り入れることが、予防につながります。



お酒の飲みすぎ

アルコールの過剰摂取も、白内障のリスクを高める要因とされています。
多量のアルコールは体内で活性酸素を増やし、水晶体を酸化させる原因になります。
さらに、ビタミンの吸収を妨げたり、肝機能を低下させることで、間接的に目の健康にも影響を及ぼします。
特に習慣的に飲酒している人や、一度に大量のアルコールを摂取する人は注意が必要です。
完全に断つ必要はありませんが、適量を心がけることが大切です。

白内障を予防するには?今すぐできる対策



白内障は加齢に伴う自然な現象である一方、生活習慣の見直しで発症を遅らせることができます。
この章では、白内障を未然に予防する方法について解説します。



紫外線対策を徹底する

紫外線は水晶体のタンパク質にダメージを与え、白内障を引き起こす一因となります。外出時には紫外線を防ぐ工夫をしましょう。
日差しが強い際は、UVカット機能付きのサングラスや帽子を使用するのがおすすめです。サングラスは、顔にしっかりフィットするデザインを選ぶことで、紫外線の影響を最小限に抑えられます。

曇りの日も油断してはいけません。太陽が出ていなくても、70%もの紫外線が降り注いでいるといわれています。
白内障を防ぐためには、年間を通して紫外線対策を行うことが効果的です。
紫外線対策を習慣化すると、白内障の発症リスクを軽減できるだけでなく、進行の抑制にもつながります。



ステロイド薬の使用に注意する

ステロイド薬は、炎症やアレルギー反応を抑えるために広く使われる薬ですが、長期間の使用は白内障の発症リスクを高めます。
ステロイド薬を使用している場合は、医師に定期的に相談し、必要最小限の使用量を守ることが大切です。自己判断で薬の量を増やしたり、長期間使用し続けたりすることは避けましょう。
医師の指示に従い治療経過を確認することで、副作用のリスクを抑えることができます。
使用期間や頻度を守り、定期的に眼科検診を受けるよう心がけましょう。



バランスの良い食生活を心がける

栄養不足や偏った食事は、目の健康にも悪影響を及ぼします。以下のような抗酸化作用のある栄養素を意識的に摂取すると、水晶体の老化を遅らせることができます。
ビタミンCやビタミンE、ルテインなどの栄養素は、目の健康維持に欠かせません。

ビタミンCは柑橘類やキウイフルーツ、ブロッコリーなどに多く含まれています。ビタミンEはアーモンドやひまわり油、かぼちゃに豊富です。
ルテインは緑黄色野菜に含まれており、ほうれん草やケールなどを食事に取り入れることで効果的に摂取可能です。
栄養バランスの良い食生活を続けて白内障の進行を防ぎ、再発のリスクを下げることができます。



生活習慣を見直す

喫煙や過度な飲酒は体内の酸化ストレスを増大させ、水晶体の劣化を加速させます。
特に喫煙は白内障の発症リスクを最大3倍以上に高めるとされているため、喫煙本数を減らしたり禁煙したりすることが重要です。

また、十分な睡眠を確保し、目を休める時間をつくることも効果的です。
現代ではスマートフォンやパソコンの使用時間が増え、目に負担をかける生活が一般的になっています。
目の疲れを軽減するために、長時間の近業作業の合間に適度な休息を取り入れましょう。
簡単な対策として、定期的に遠くを見ることで目の緊張を和らげ、目の健康を維持する効果があります。

適度な運動も生活習慣の一つとして取り入れると良いでしょう。
血行が促進されることで目の健康に必要な栄養が行き渡りやすくなり、全身の健康維持にもつながります。



定期的な眼科検診を受ける

白内障は初期段階では自覚症状が少ないため、定期的に眼科検診を受けることが早期発見につながります。
特に40歳を過ぎたら、緑内障など他の疾患の発症リスクも上がり始めるので、年に1回は眼科を受診し、目の状態を確認することが重要です。

検診では視力検査や眼底検査、水晶体の濁り具合を調べることで、白内障の兆候を早期発見できます。
糖尿病や高血圧など、白内障のリスクを高める全身疾患がある方は、さらに注意が必要です。
定期的な健康管理と眼科検診を組み合わせることで、白内障の進行を防げます。


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まとめ

白内障になりやすい人には、年齢や遺伝、生活習慣といった共通点があります。
自分に当てはまる要素がある場合は、今から早めの予防が大切です。
日々の生活を見直し、定期的な目のケアを行うことで、将来の視力を守りましょう。

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