院長ブログ(医療の真実、医者の舞台裏)

2022.09.14

大きな学会を主催するということ  裏話2~ブラック編 (上)

みなさま、「専門医」という言葉をご存じでしょうか。医師免許が有れば、法的には全ての診療を出来るわけですが、実際には、私が頭痛や腹痛患者は診られません。そこで、各分野で最低限の診療レベルがある事を、ある程度保証する指標として、各診療科の代表学会で専門医というのを定めています。眼科専門医の場合は、一定の年数と治療経験のあと、試験を受けて、『日本眼科学会』という組織から認定を受けますが、認定取得した後も、それを継続するために、医師達は、学会、研究会への参加出席によってカウントされるポイントを、毎年決まった数だけ貯めなければいけません。それも、どの学会でも良いわけではなく、前述の『日本眼科学会』が専門医認定事業として指定した学会でないと、その「ポイント」は付与されません。そして、悲しいかな、お勉強よりも、このポイント獲得、専門医資格の維持だけを目的に学会に来る人もおり、逆に各学会側も、参加者獲得と学会のサスティナビリティのために、これを活用している、と言う側面も有ります。・・・ここまでは、医師なら誰でも知っていること。

 

 さて、「大きな学会を主催すると言うこと」シリーズの最終話、今回は私の周囲しか知らないブラックな話です。

そこで、この専門医認定事業の指定ですが、これは、その年の学会総会長が「今年は、私がこの学会を主催します。今回も認定事業に指定して下さい」という申請をして、先の、日本眼科学会から「よっしゃ、OK」となるのですが、この申請を出来るのが、各大学の教授と各都道府県眼科医会会長だけ、というルールがあるのです。これは、この制度発足時は、まだ大学教授以外が学会を主催すると言うような想定が無かったのと、それ以外に、全国学会に参加しにくい地方の先生のために、小さな地方会でも、ある程度ポイントを獲得できるように作られた制度です。

 

 ところが今、白内障手術に関して、日本を牽引しているのは、個人病院やクリニックの医師が多く、その専門学会:日本白内障屈折手術学会(JSCRS)の学会長に指名される人も、大学教授以外の人が多くなり、この専門医制度の中で認定事業の申請枠など持っていないことが多くなりました。私も、大学人では無いので、勿論この申請枠は持っていません。さぁ、どうする?

  (中)に続く