医療の真実、医者の舞台裏

2019.05.12

先端医学と、国際学会に参加する理由

国内は、初の10連休に湧く中、アメリカ白内障屈折手術学会(ASCRS)に参加してきました。この学会は、アメリカの学会なので日本のGWなど全く関係ないのですが、毎年4月か5月に開催され、今年はその日程がちょうど連休後半に当たりました。

5月2日の成田発サンディエゴ行き直行便は、前席の殆どを、この学会参加者が占める「眼科御一行様」状態だったようですが、関西空港発の便は私一人でした。このことからも、白内障手術への学術的関心の東西格差が感じられます。

さて、海外の学会と国内学会の大きな違いの一つが、会場の規模です。
写真をご覧下さい。アメリカの学会場は、大都市やフロリダなどのリゾート地に沢山作られていますが、いずれも日本国内のものと比べると驚くほど巨大な建物です。

殆どが、世界中から人の集まる国際会議、国際学会に休むことなく使われるため、アメリカのホテルは、いずれも割高です。
 私の参加した学会は、約10000人の参加者があるのですが、先月行われていたアニメ関連のイベントでは、その倍以上の参加者がサンディエゴに集結し、ホテル代も更に高騰したそうです。

私の場合、国際学会参加の目的は3つあり、1つ目はもちろん講演、2つ目は手術関連企業(多くはアメリカ企業)の新製品に関するミーティング、3つめは手術技術に関する世界の潮流をキャッチアップしに行くことです。

1つ目である講演では、今回は多焦点眼内レンズの術後成績アップのために当院で行っている、ちょっとした工夫をお話ししてきました。その内、本HPでも視聴して頂けるようにします。

2つ目は、まだ市場に出る前の製品に関するものなので、ここでコメントするわけにはいきませんが、チラッとお写真だけお見せしましょう。この様に、ホテルの会議室を暗幕で仕切って、指名された米国、アジア、ヨーロッパの医師数名が豚の眼を使って実際に操作してみて、その機能や使用感について、アドバイスするのです。

3つ目の、新しい治療技術に関する情報収集ですが、皆様は「最先端の新しい治療」と言うと、テレビや新聞を賑わす新規細胞技術やノーベル賞の話題を連想されるかも知れませんね。しかし、この様な最先端の研究成果が、実際の一般的な診療現場に持ち込まれるのはずっと先の話です。例えばiPS細胞の網膜疾患への臨床使用も、現段階では「光も分からない人が、ものの動きを感じられるようになった」というところまで進んで来ましたが、今、病院に通っている人の眼が劇的に見えるようなる、というものではありません。しかし近い未来、人類に莫大な恩恵を与えてくれる技術なので、長い眼で見て頂きたいものです。一方、今回のような白内障手術関連の学会で見つける話題は、帰国後すぐに、自分の手術医療に取り入れられるものが多く、この様な技術には、常にアンテナを張って、京都のどの病院よりも早く、患者さんに還元してゆきます。

逆に、私の発表した講演のものも、どこかの国の先生が取り入れてくれているかも知れません!