院長ブログ(医療の真実、医者の舞台裏)

2019.10.14

F1レースと白内障手術:高性能マシンも、操るのはヒト

昨日、生まれて初めてのモータースポーツ観戦:鈴鹿サーキットのF1レース決勝を観に行ってきました。会場の明るい雰囲気、サーキットの広さ、豪快なエンジン音、大きな車体の迫力ある走り、どれも圧巻でしたが、実際に会場で観ると、色んな発見があります。

 私は、最終コーナーから直線に移る辺りで観戦していたのですが、右の写真を、ご覧下さい。カーブから直線に移っていったところ、全ての車が、ほぼ同じラインをトレースする様に走行しています。つまり、これが、一番、安全で且つ効率よい走行が出来るコース取りなのでしょう。あれだけのスピードを出しながら、それをキッチリなぞっていける技、圧巻です。

そして、その横をよく見ると、「DRS」と書いた立て札にお気づきでしょうか。これは、ドラッグ・リダクション・システムと言って、曲線での安定性と直線での高速走行を両立させる最新技術なのですが、このハイテク装置もコース内では、使えるところ、レース展開の中では使えるタイミングが規定されています。つまり、ドライバーがこれを見ながらon-offの操作を瞬時にしなければいけないのです。

そして、よくレースを観ていると、直線コースなのに、時々ブレーキランプが点灯する車両があるのです。「どうしてこんな所でブレーキ踏むんだろ?」と思ったのですが、これは、減速したときのタイヤの回転変化を電気に変えて使うMGU-Kという装置を発動させているのです。今のレーシングカーは、ルール内で如何にエンジンパワーを上手く使うか、超ハイテクの勝負なのです。

しかし、そんなハイテクマシンも、勝手に動いてはくれません。相手の車や、路面状況は、時々刻々変わるので、ドライバーが見て感じて、それに合わせて操作してゆくものです。

一方、私が使っている白内障手術装置も、超ハイテク機械で、水の量や吸引の強さ、水晶体を砕く強さを、とても細かくコントロールできますが、これは、0.01秒単位で変化している眼の中の状況を、高い緊張感の中で、術者が、自分の目で見て感じて、瞬時に操作することで、はじめて機械が応えてくれるものですから、やはり、最初の段階=「術者の観察力・判断力、両手両足の動き」で差がつくものです。昨日観たF1ドライバーと自分の仕事、「とっても共通点が多い!」と感じ入りながら、鈴鹿サーキットをあとにしたのです。